◆くろだ質疑
これより、自民党世田谷区議団の質疑を始めます。
総務省サイトによれば、ふるさと納税制度は、生まれ育ったふるさとに貢献できる制度、自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度です。世田谷区で生まれ育った方がふるさと納税をしたいと考えたときに、ふるさと納税制度についての批判を繰り返していた区長の姿が頭に残っていると思います。そんな状況で貢献したい、応援したいという気持ちが盛り上がるでしょうか。また、応援したい自治体を選ぶ納税者の目線として、現在の世田谷区、選ばれる自治体と言えるでしょうか。
ふるさと納税の流出額、2023年度で約99億円、これは学校なら2校、高齢者施設なら3か所造れる数字です。一方で、世田谷区のふるさと納税による収入は、令和4年2.5億円、件数は4,377件というデータがありました。世田谷区と同じように流出に苦しむ東京都23区の中でも、渋谷区はふるさと納税での収入が8.8億円、世田谷の3.5倍です。件数も22,103件と世田谷の5倍あります。最も寄附を受け入れていて収入額が大きな墨田区は10.1億円収入があります。流出は18.8億円なので、半分以上も取り返せているということになります。返礼品の拡充により、世田谷区の受入額が前年度比2倍で増加したということは評価できますが、台東区は、前年度比2.9倍増となっていました。まだまだ世田谷も伸ばしていく余地があると考えます。
ふるさと納税制度が今後さらに広く活用されていくことを考えると、現状が変わらなければ流出額が加速度的に膨らむばかりだと思います。世田谷区にはこんなにいいものがあるんだ、こんなアイデアがあるんだということをもっと周知していくべきです。これはさんざん他会派からも質問がありました。そして、先ほど答弁としては、広報、PRになるものということでお答えもありましたが、世田谷区という自治体の魅力PRにつなげるために、ぜひ前向きに取り組んでほしいと考えております。
その立場から、私からも四つまとめてお伺いします。
一点目、ふるさと納税先の指定に関してです。
川崎市では学校ふるさと応援寄附金という制度があります。全額が小学校や中学校へ寄附されるという仕組みです。納税者の自己負担金は2,000円。返礼品はなしということです。また、先ほどそのべ委員からも質問がありましたNPOや公益財団法人、また大学、私立中高など学校法人への寄附と併せて小中学校への寄附、また、幼稚園、保育園など、区内の様々な団体を指定しての寄附ができるようにはならないでしょうか。
実は私もそのべ委員と同じ大学の出身で、同窓会の場で港区ふるさと納税制度、団体応援寄附金の告知を受けましたが、同窓会の同じ会場でお会いしたということではなく、大学側が、これはふるさと納税という分かりやすい仕組みを活用した寄附の募集をかなり強力に推し進めているのだろうなと思いました。
区がPRをするだけという以上に、卒業生、在学・在園生の保護者、関係者、学校や団体を応援する方へ効果的に告知をすることが可能です。これは区外からの流入を増やすだけではありません。例えば、ふだん、子どもたちがお世話になっている幼稚園や保育園の先生たちのお給料を上げてほしいといった話はママ友、パパ友との会話でよく出てきます。寄附金の利用方法は各団体に任せることとなるだろうと思いますし、お給料になるかどうかは分からないところですが、この寄附金を園が活用して、子どもたちの園での生活がよりよいものになると考えたら、保護者のふるさと納税先として世田谷区が選ばれる可能性は高いはずです。区民が区内の団体を指定してのふるさと納税をすることで区外への流出を防ぐ効果的な方法であると考えますが、いかがでしょうか。
また、二点目、体験型の寄附拡充はもっとできないでしょうか。
高島屋の飲食チケットやホテル宿泊券などを実施されているのはいい傾向ですが、もっと幅を広げるべきと考えます。区外近郊から世田谷区に訪れていただく、こちらも渋谷区、台東区などの事例が参考になります。
三点目、これも他会派から同様の意見が出ておりましたが、世田谷区ゆかりの様々なコンテンツやスポーツチーム、団体とのコラボレーションはできないでしょうか。例えば、下北沢カレーフェスでは人気アニメ、ぼっち・ざ・ろっく!の作中バンドがアンバサダーを務め、イベントの盛り上げに一役買っています。ウルトラマン、サザエさんなど昔から親しまれているコンテンツもあります。現在は、ブラックラムズと連携を取っていますが、その他のスポーツ団体などとの連携、世田谷にゆかりのある有名人とのコラボなど、まだまだ検討余地があるはずです。
また、四点目、寄附のしやすさ、ここを追求していただきたいです。
現在はふるさとチョイス、さとふるの二つのプラットフォームで世田谷区へふるさと納税が可能という状況ですが、一方、収入の多い渋谷区では楽天ふるさと納税、ふるさとパレットなど六つのプラットフォームからの寄附を受け付けています。それぞれユーザーが異なります。どのようにお考えでしょうか。
以上四点、どれも本日の委員会だけでなく以前より再三話されていることだと思います。ただ、今あまり変化が見られない、なかなか対応が遅いというところもあると思いますので、私からも改めて質問しております。ぜひ早急に進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。
◆経営改革・官民連携担当課長の答弁
まず、委員御提案の学校などへの寄附でございますが、先ほど御紹介いただきましたとおり、小中学校や高校など、そういったところを対象に学校名を一覧化し、選択して寄附ができるような仕組みを整えている自治体がございます。これらの取組は母校や地域を応援する気持ちをじかに受け止めることができる取組であると認識しており、学校単位での公表の仕方などについて整理する必要はございますが、引き続き関係所管と検討してまいりたいと考えております。
また、体験型メニューの拡充や魅力あるコンテンツの活用という点でございますが、昨年秋から拡充した返礼品の中には全国的に有名なスイーツのほか、登録された区内の飲食店などで利用できるせたがやPayふるさとポイントや宿泊など体験型のものもございます。区へ訪れていただき、様々なことを体験いただくことは世田谷のファンやリピーターを増やすことにつながるものと考えており、御指摘の体験型メニューの充実も含めた返礼品等の一層の拡充や、魅力あるコンテンツの活用、PRに向けた関係団体等の連携について今後検討してまいります。
さらに、寄附を受け付けるポータルサイトについてでございますが、区への寄附の多くがポータルサイトを利用されており、他自治体でもポータルサイトの数を増やして寄附の受付を行っているところでございます。委員御指摘のとおり、さらなる寄附獲得に向けましては寄附を受け付けるポータルサイトを拡大していくことも効果的であると考えており、その利用拡大に向け、今後準備を進めてまいります。これらの取組により、一層の寄附獲得に取り組んでまいりたいと考えております。
◆くろだ質疑
寄附を受け付けるポータルサイト、入り口を増やすこと、これはぜひ早急に進めていただきたいと思います。また、大学や学校、保育園、幼稚園の寄附については区内の保護者からの寄附も見込めるということを先ほどお話ししましたが、こちらもぜひ前向きに取り組んでいただきたく、強く要望し、また今後もこの点を質問していきたいと思っております。よろしくお願いします。
続きまして、DX推進に関して伺います。
手続オンライン化カバー率に関して、さきの本会議で松村副区長からの答弁がありました。先ほど他会派も触れていましたが、令和二年度のデータについて私もホームページから拝見しておりました。当時は、全体の申請件数の半数程度の割合がオンラインで申請可能というデータでした。
ただ、自分が生活している中で幼保無償化に伴う現況届の提出や補助金の申請、また、病児・病後児保育の登録申請など、東京共同電子申請・届出サービスで様々できるようになっておりまして、子育て中の母親としては非常に助かるなと感じる部分がございました。
そこで、令和二年度の状況から、今はかなり改善されているのかなというふうに感じていたので、現状は80%程度であり、今後95%の手続オンライン化カバー率を目指すといった御発言、ある意味、納得感はありつつも数値としては驚いておりました。
そこで、まず質問です。このデータについて、令和3年、令和4年のデータがホームページ上で公開されておりませんでした。ほかの件でも世田谷区のデータを確認したいと思ってホームページを探しても、使えるデータが見当たらなかったり、PDF資料しかなくて数字を拾って加工することが難しかったり、CSVを開いても二行程度しかデータが入っていないファイルだったりという事態が頻発しておりました。オープンデータに関して、DX推進方針にも記載がありましたが、現状の取組や今後の対応について教えてください。
◆DX推進担当部副参事の答弁
区では、平成27年度より区ホームページにおいてオープンデータの公開を行ってまいりましたが、委員御指摘のとおり、印刷を前提としたレイアウトや、PDF形式のデータなど二次利用に適さないデータが見受けられます。昨年度設置したDX推進委員会のオープンデータプロジェクトチームでは、オープンデータの推進マニュアルの見直しなどに取り組み、オープンデータ施策推進の考え方や、機械判読性が高いデータ作成のポイントをまとめた資料作成などを行ってまいりました。
二次利用に適したデータの整備につきましては、今後、オープンデータ一覧等の定期的なメンテナンスと併せ、ファイル形式やデータ構造の標準化など、東京都が進めるデジタル庁作成の自治体標準オープンデータセットに基づいたデータ整備事業とも連携しながら取り組んでまいります。
◆くろだ質疑
オープンデータの取組に関しては、官民連携など様々な分野に影響があると思いますので、ぜひ引き続き進めていただきたいと思います。
次に、オンライン申請システムやプラットフォームの利用について伺います。
既存サービスの利用で手続のオンライン化が早く進んでいくはずです。一区民の立場としては、東京共同電子申請・届出サービスでの申請をよく行っておりますが、既存サービスの活用について、現状はいかがでしょうか。渋谷区や品川区が利用しているグラファーなどのシステムについて、利用を検討されていることがあるのでしょうか。逆に、これを利用しようとすると導入に時間がかかってしまうなど、問題があるのでしょうか、教えてください。
◆DX推進担当課長の答弁
区では、これまで多くの手続におきまして、東京共同電子申請・届出サービスの会員申請を活用してオンラインでの受付を行っているところです。さらに、今年度からは共同運営の拡充サービスとして、グラファーと同様にフォーム作成などが簡易なクラウドサービス、SaaSで可能であるロゴフォームを導入しております。本サービスにおきましては、スマートフォンによる公的認証ですとか、費用のオンライン決済なども可能となっており、区としましては、今後、このサービスの活用をさらに進めていき、手続オンライン化を拡充してまいります。
◆くろだ質疑
ちなみに、ロゴフォームは、今どういった申請に活用されているのでしょうか。
◆DX推進担当課長の答弁
環境に関する区民意識実態調査ですとか、事業者向け支援策等のメール配信登録などで現在活用を始めているところです。所管課から、さらに活用したいというような希望も寄せられておりまして、今後も活用が増えていく見込みです。
◆くろだ質疑
様々な所管で活用されていくということを期待しております。また、オンラインの決済など利用の幅が広がるということもすごくいいポイントだと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
続きまして、DX推進方針に記載のあるワークスタイル変革プロジェクトについて質問いたします。
東京都がDXを進めるため、ガブテック東京が立ち上がりました。一般財団法人として立ち上がり、区市町村DX推進のためにデジタル基盤の共通化、標準化やスポット相談、伴走サポート、また、デジタル人材プールの運用などを計画しています。このガブテック東京のデジタル人材に関しては、現在絶賛募集中ということですが、勤務形態としてリモートワーク、フレックスなどをうたっています。
そこで質問です。世田谷区でも、チームズやビデオ会議導入やモバイルPC配備について進めているところかと思いますが、導入してみて、現状や職員の皆様からのフィードバックなどはいかがでしょうか、教えてください。
◆DX推進担当部副参事の答弁
区では、コロナ禍の当初からオンライン会議を活用しておりましたが、会議を主催する際には専用パソコンが必要で、あらかじめパソコンの予約をしておかなければいけないなど、下準備に時間や手間がかかっておりました。令和四年度から構築を開始した次期情報化基盤におきましては、デスクトップパソコンに変えて、マイクロソフトチームズをインストールしたモバイルノートパソコンを職員に配備することで、職員の誰もが即時にオンライン会議ができる環境整備を進めております。
また、運用保守を一元化し、職員からの問合せ、意見を踏まえて改善に取り組む中で、部長会など多くの会議をオンラインで実施されるようになり、会議のための移動時間や旅費の削減、ペーパーレス化の推進など、効果が上がっていると職員からも声を寄せられております。
モバイルノートパソコンは、本年九月末現在で約3,200台を配備済みであり、今年度末までに残りの約3,400台を追加配備する予定でおります。区職員が勤務する全拠点にオンライン会議を活用できる環境が整う見込みです。環境整備に合わせて有効活用する紹介など、職員への啓発をさらに進め、さらなる業務効率化に取り組んでまいります。
◆くろだ質疑
環境整備が急速に進んでいて、でも、職員の皆様が持て余すということではなく活用が進んでいるということを伺えて安心しました。
もう一点、柔軟な働き方についての現状と今後の計画についてはどのように考えているでしょうか。ガブテック東京からデジタル人材が派遣されてきたとして、この方が一緒に働くとなった際に、あまりにも区のほうと勤務条件や設備が違うとなると協働が難しいのではと考えております。柔軟な働き方を実現するための制度についても教えてください。
◆職員厚生課長の答弁
区では、今年の一月にモバイルPC等を活用した在宅勤務を導入しております。在宅勤務中は、職場とのコミュニケーションにチームズを活用するなど、各所属において工夫をしながら取り組んでおり、在宅勤務に従事した職員からは、業務に集中でき、作業効率の向上が図られた。時間が有効に活用でき、家族と関わる時間が増えたなど、好評の声も聞かれております。
また、今月からはより柔軟な時差出勤制度を新たに導入したところでございます。これは、これまで育児・介護事情のある職員や、新型コロナウイルス感染症拡大防止、夜間の会議などの業務理由による場合に限定していた時差出勤制度を理由を問わず運用していくように見直したものでございます。
近年、国や他の自治体においても、さらに柔軟な働き方として、一日の勤務時間を柔軟に選択できる、いわゆるフレックス勤務制度の検討や導入が始まっております。区といたしましては、まずは、このたび導入した時差出勤制度の利用状況等を踏まえながら、次のステップとして、さらなる柔軟な勤務時間制度の在り方についても検討してまいります。
今後とも、職員間の相互理解の下、さらなる業務効率の向上、職員の負担軽減を図り、職員のワーク・ライフ・バランスを踏まえた多様な働き方を一層推進し、組織の活性化と公務能率の向上を図ってまいります。
◆くろだ質疑
ありがとうございます。昨日の総括で他会派からも意見がありましたが、長時間労働などには気をつけていただきながら、職員のワーク・ライフ・バランスが整い、区政の運営がさらに活性化するようお願いしたいと思っております。
次に、パブリックコメントについて質問いたします。
現在、多くの計画素案ができており、策定に向け、区民意見募集を行っておりました。オンライン意見募集プラットフォームのデシディムの活用など、新たな取組を行っていることは理解しておりますが、区民からはよく、区にどうやって意見を伝えたらいいのかということを問われます。また、パブコメ実施を見逃していたという御意見も伺います。パブリックコメントの現状や周知方法などを教えてほしいです。
また、自分自身も区民に案内する際、ここからパブコメが送れますよと伝えるつもりが、ホームページのフォームから意見を送信できるということが分からず、紙だけで受け付けているのかと誤認していたこともありました。ホームページがかなり分かりづらくなっているので、こちらに関しても改善いただくことは可能でしょうか、教えてください。
◆広報広聴課長の答弁
パブリックコメントは、区の主要な計画や条例等を作成する際に、素案等の段階で区民の皆様から御意見等をいただきまして策定に生かすとともに、集約した御意見等と区の考え方を広く公表する制度として実施してございます。
実施方法といたしましては、「区のおしらせ」のほか、区ホームページ、SNS等により周知を行いまして、御意見、御提案は書面、ファクシミリ、ホームページの入力フォームから御提出いただいているところでございます。また、音声や手話を撮影した動画による提出等も行ってございます。
ホームページの入力フォーム、案内が分かりづらいとの御指摘がございましたが、ホームページにつきましては、委員の御指摘を踏まえ、改めて確認いたしましたところ、御指摘のとおり、ちょっと分かりにくい部分がございましたので、区のホームページでの入力フォームの入り口を分かりやすく御案内するなど、初めての方も含め、より多くの区民等の皆様から御意見、御提案をいただけるよう、速やかにホームページを改善してまいります。
◆くろだ質疑
早速御対応、ありがとうございます。ぜひ分かりやすさを客観的に確認していっていただきたいと思います。
最後に、選挙制度について一つ伺えればと思います。
選挙を自らが経験して初めて、結果が分かるまで不安や緊張を味わうとともに、投票事務や開票作業に従事されている職員の負担、そして、コストについて知り、考えるようになりました。投票に関しては早朝から、そして、開票作業は深夜までかかります。開票作業を行われている方が帰宅できるよう、タクシーが何十台も待機しているということも知りました。こういったコストについて、無駄ではないかと区民からの御意見をいただくこともありました。
一方、23区内で大田区や杉並区など七区が翌日開票を行っています。これは、コスト削減や開票作業時のミスを減らすといった目的で実施されているそうです。今回、選管への異議申立てがあり、都選管で難読票の解釈が変わり、票数が変わるということも起こりました。こういったことも踏まえ、翌日開票について、世田谷区は現在どのように考えているのでしょうか、教えてください。
◆選挙管理委員会事務局長の答弁
開票につきましては、公職選挙法で投票箱の送致を受けた日、すなわち投票日、または、その翌日に行うと定められておりまして、特別区では現在七区で翌日開票が採用されております。一方、国政選挙や都知事選挙、都議会議員選挙については選挙人に速やかに選挙の結果を知らせるため、即日開票を行うよう国や都から指示がされており、当委員会といたしましては、この趣旨にのっとり、区議会議員・区長選挙についても即日開票としているところでございます。
区議会議員・区長選挙の開票には六百人を超える区職員が従事しておりますが、これを翌日開票とした場合、窓口職場や保育園といった区民サービス職場を中心に従事できない職員が相当数出ると想定され、即日開票と比べ従事員数を大幅に減らさざるを得ないと考えております。
仮に従事員が従来の半数になったとすると、開票作業にかかる時間は倍近くかかることとなりまして、翌日の朝8時半に作業を開始しても開票確定は夜になってしまう見込みです。当委員会といたしましては、選挙を適正かつ公正に執行することはもとより、その結果をできるだけ早く選挙人にお知らせすることも重要な責務であると考えております。
◆くろだ質疑
数多くの区職員の皆様が速やかに選挙結果を知らせるという使命感を持ち、休日に長時間、選挙業務に当たってくださること、答弁から分かりました。日々区民からの負託に応えるべく区議会議員となってから懸命に働いておりますが、改めて候補者一人一人が区民からの一票一票をいただける、この厳正な選挙の執行を支える方々に対する敬意、責任を持って引き続き全力で頑張ってまいりたいと思います。
ここで、佐藤正幸委員に替わります。
以上。
◆くろだ質疑
それでは、先日の決算特別委員会総括質疑におきまして、我が会派の石川ナオミ幹事長から、女性のヘルスケアについて様々な角度から話がありました。同様の問題意識や危機感を持つ中で、私からも一点、HPVワクチンについて質問をしたいと思います。なお、6月定例会におきまして、他会派からもHPVワクチンについて質問がありましたが、答弁の中に接種率等の数値については言及がなかったため、本日お伺いしたいと思います。
HPV、ヒトパピローマウイルスは、子宮頸がんの主な原因となります。子宮頸がんは、国内で年間約1万人の女性が発症し、約3,000人が死亡しています。例えば女子高の1クラスが35人と考えたときに、2クラスに一人が子宮頸がんを発症し、10クラスに一人が亡くなるという計算になります。20歳から40代で発症するケースが多く、年間約1,000人が治療の過程で子宮を失っています。また、子宮が温存できた場合でも、手術によって早産のリスクが高まったり、そもそも妊娠しにくくなったりということも起こります。
マザーキラーとも呼ばれる子宮頸がんは、HPVワクチンの接種により8〜9割の確率で発症を予防できると言われておりますが、2011年に女子への定期接種が始まってから、体の痛みなど深刻な副反応を訴えた接種者が複数発生し、マスコミも不安をあおる報道をしてきました。そして、2013年、政府が接種奨励を停止してしまいました。
しかし、様々な調査研究がなされ、HPVワクチン接種後の体の痛みやしびれ、不随意運動といった多様な症状について、ワクチン接種との因果関係は証明されておりません。また、ワクチン接種者と同年代で接種歴がない子どもたちについても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の多様な症状を訴える子が同程度現れるということも明らかになっております。さらに、世界でも120か国以上で公的な予防接種が行われており、WHOも接種を推奨、カナダ、イギリス、オーストラリアなどでは接種率は八割以上となっております。HPVワクチン接種が進む国では子宮頸がんが減少傾向にある中、日本はHPVワクチン接種の奨励停止によって現在も罹患者が増え続けています。
このような状況の中で、ワクチンの効果、安全性を厚労省で確認してきて、ようやく昨年、令和4年4月からHPVワクチン接種の積極勧奨が再開されました。また、先日、東京都議会において、都がHPVワクチンの男子への接種費用補助を検討しているということも明らかになりました。HPVは性交渉によって感染するウイルスなので、男子への接種も進めることによってさらに発症リスクが下がります。また、男性に対しても、尖圭コンジローマや肛門がん、中咽頭がんの予防効果があるということで、オーストラリアでは男性の七割以上がHPVワクチンを接種しています。
そこで、世田谷区の状況を質問いたします。区のHPVワクチン接種率はどのような状況となっているでしょうか。小学校6年生から高校1年生相当の女子が対象の定期接種だけでなく、同時に行っている積極的勧奨の差し控えにより、接種機会を逃した方へのキャッチアップ接種についても教えてください。
◆感染症対策課長の答弁
ヒトパピローマウイルス、HPVワクチンは性行為により感染するため、セクシュアルデビューの前に接種することで、ウイルス感染による子宮頸がんの発症を防ぐワクチンです。接種後に全身の痛みなどの体調不良を訴える方が見られたため、一時期、接種に関するお知らせを差し控えておりました。しかし、接種による有用性が確かめられたため、令和四年度より、対象者へお知らせや接種に必要な受診票の個別送付を再開しております。
HPVワクチンは三回の接種が必要ですが、令和4年度の一年間に一回目を受けた方は1,207人であり、接種対象者は11,389人、接種率は10.6%でした。なお、令和5年度より九種類のウイルスタイプに効果のある9価ワクチンが導入されたため、令和5年4月から8月までに接種を受けた方は、現時点の集計で1,932人と去年を上回るペースで多くの方が接種を受けています。
なお、令和6年度までの時限措置として、平成9年度から平成18年度生まれの方についてキャッチアップ接種を実施しております。該当の方には、今年の3月にお知らせを個別送付しておりますので、接種を御検討いただければと思います。
◆くろだ質疑
9価ワクチンの導入により昨年度を上回るペースでの接種が進んでいるということ、大変よい状況だと思います。HPVワクチンの接種率が高い国では、子宮頸がんが減少しつつあるということは先ほど述べました。国内でも、富山県ではHPVワクチンの接種が進んでおり、積極勧奨再開前の令和三年において、富山県における公費でのHPVワクチンの接種率は50%超え、富山市では70%を超えるという驚異的な数字でした。富山県でここまで接種が進んだ秘訣は、医師会と地方自治が一体となって活動したことにあると、産婦人科医であり、自民党の富山県議会議員である種部恭子先生から伺いました。
ワクチン接種後の副反応、体の痛みなどの多様な症状が起こる原因の一つとして、ワクチンへの理解の不足、怖さといったものもあるそうです。かかりつけの医師、いつもお世話になっている病院の先生から、HPVワクチン接種によるメリットとデメリット、これを丁寧に伝え、メリットが上回るということを本人も、保護者も納得して接種をすることが大切であり、接種率の向上にもつながっていくと富山県の事例から学ぶことができます。
世田谷区においても、HPVワクチン接種率向上のために医師との連携が必須だと考えますが、現在の状況やこれからの計画などがあれば教えてください。
◆感染症対策課長の答弁
HPVワクチンに関しては、接種後に全身の痛みなど多彩な症状を呈する方が報告されたため、平成25年6月から令和4年3月までは、勧奨差し控えとして接種に関するお知らせの個別送付を取りやめておりました。こういった症状も含めて、WHOより、予防接種ストレス関連反応という概念が提唱され、令和元年に公表されています。一般的にワクチンは健康な方に接種するものですので、接種を受ける方や保護者へ接種前に丁寧に説明すること、接種後に何らかの症状があった場合は適切な医療を受けられるような体制を整えることが重要と認識しております。現在、小児科などでは、9歳の日本脳炎ワクチンや11歳のDTワクチンの追加接種時にHPVワクチンについても情報提供されているところもあります。また、世田谷区医師会においても、独自に接種に関するチラシを作成するなど御対応をいただいております。
今後も医師会等の関係機関と連携し、予防接種に関する適切な情報提供を行うとともに、接種を希望される方が安心して受けられるよう対応してまいります。
◆くろだ質疑
ぜひ医師会との連携をしっかりと取っていただきたいと思います。
HPVワクチンについて、本人、保護者の理解がまず大事だということをさきに述べましたが、この定期接種対象が小学校六年生から高校一年生相当の女子となっているのは、HPVが性交渉で感染するウイルスであること、そして、性交渉をする前にHPVワクチンを打っておくことが最も効果的であると言われているためです。
ただ、性交渉をする前の女子にHPVワクチンを接種する目的や効果を伝えるということに難しさを感じる保護者もいるのではないかと考えています。保護者からうまく説明ができないために接種する本人があまり理解ができない、病院で注射を打つのも怖い、よく分からないものを打たれると思うことで有害事象が起きたり、そもそも病院に行かなかったりという状況も考えられます。医師との連携以外に普及啓発のための施策を区として考えているでしょうか、教えてください。
◆健康推進課長の答弁
子宮頸がんの発生には、先ほど委員がおっしゃられたように、ヒトパピローマウイルス、HPVが関わっており、このウイルスは子宮頸がんの方の90%以上で見つかることが知られております。HPVは一般に性行為を介して感染するため、感染予防のためにはセクシュアルデビュー前にHPVワクチンを接種することが効果的であるとされております。
このことから、性成熟を迎える時期にHPVワクチン接種の理由や意味を通じて、性感染症や性に関わることについて正しい知識を得ることは、子どもたちの生涯にわたる健康につながる非常に大切な機会と認識しております。
現在、区では、思春期世代に向けたリプロダクティブ・ヘルス/ライツ周知啓発の取組を専門部会を設けて進めております。八月に実施した中高生のためのココロとカラダのトリセツ講座にて、性感染症予防の一つとして、HPVワクチン接種の有用性を講義内容に含め、また、作成中の中高生向けリーフレットにおいても扱っていく予定でございます。さらに、中高生のワクチン接種には保護者の理解も大変重要であることから、保護者向け講演会等においてもHPVワクチンのメリットについて取り上げて啓発を行う予定でございます。
思春期世代が心身ともに健康に過ごし、今後の人生においてより主体的な選択ができるよう、引き続き機会を捉えて周知啓発を進めてまいります。
◆くろだ質疑
子宮頸がんは、働き盛りの女性、これから妊娠を考える女性、子育て中の女性が発症する可能性が高く、人生に大きな影響を与えてしまうがんです。ただ、検診で早期発見し、早期治療をすることで治すことのできるがんでもあります。日本は、子宮頸がん検診の受診率も40%程度と低い傾向にあります。このことも子宮頸がん罹患者の増加に影響していると言われています。HPVワクチンと子宮頸がんの検診、どちらも併せて周知啓発、接種率、受診率向上を目指し、区として力を入れていただくよう要望いたします。
次に、健診についてもう一つ、今度は歯の健診について質問したいと思います。
ちょうどさきに青空委員の質疑でも触れられておりました。歯の健康が全身の健康につながるということは、青空委員のお話で既に皆様よく御理解されたことと思います。先ほどの答弁にもありましたが、世田谷区においては、成人歯科健診を40歳から70歳まで五歳刻みを対象として実施しています。また、75歳以上の方にはすこやか歯科健診という形で実施をしています。
そこで、まず質問です。成人歯科健診、近隣では、品川区、大田区、渋谷区では20歳から、杉並は25歳から、目黒は35歳からを対象として、無料で対象者全員に受診券を送付する形で行っています。例えば23区内、40歳から対象としているのは、世田谷区以外では、豊島区、荒川区、板橋区、葛飾区のみです。ほかは20歳や25歳、35歳からが対象です。さらに千代田区は、19歳から区民歯科健診を行っています。
そんな中、世田谷区では何と40、50、60、70歳にしか個別通知をしておりません。45、55、65歳の方は世田谷保健所健康推進課へ電子申請、電話、はがき、ファクシミリのいずれかの方法で申し込んで受診券を取り寄せてくださいとのことです。また、費用は200円かかります。ほかに無料でない区は、新宿、中野、板橋のみで、ほかの区は無料です。さらに23区内、ほかの区で対象者全員への配付を行っていないのは、世田谷区以外で、新宿、中野、練馬、江戸川のみ、ほかは通知を行っているという状況です。
他区に比べ圧倒的に歯科健診の対象が少なく、通知も消極的だと思うのですが、これを改善していくことはできないのでしょうか。
◆世田谷保健所副所長の答弁
20代や30代などの若い世代から継続して口と歯の健康を意識することは重要なことと考えております。国が定める歯科健診では、学校保健法によって高校まで実施が義務づけられております。区は、成人歯科健診を健康増進法の要領に基づき四十歳からを対象としております。一方で、令和三年に実施をいたしました世田谷区民の健康づくりに関する調査報告書においては、かかりつけ歯科医で定期健診、または予防処置を受けているの問いに対し、20代、30代の男性で約30%、女性で約45から55%が受けていると回答しており、区が実施する成人歯科健診の健診率と比較をいたしまして高い傾向にございます。厚生労働省は、健康増進事業において、若い世代の歯科健診について検討している状況ではありますが、現時点では具体的に示されておりません。
区といたしましては、利用者負担の観点や対象拡大など課題を整理し、国の動向も注視しつつ、若い世代に対しても定期的な歯科医院への受診につながるよう検討してまいります。
◆くろだ質疑
かかりつけ歯科医で定期健診または予防処置を受けている20代男性は30%、30代男性は28%といった低い割合となっているかと思いました。こういった層にこそ、健診に行くきっかけとして、公費での歯科健診の受診ができるようにすること、通知を送付することは重要ではないかと考えています。ぜひ御検討いただきたいと思います。
また、75歳以上の方向けのすこやか歯科健診についても質問いたします。こちらは区のホームページを見ますと、最初に、この健診は、世田谷区歯科医師会・玉川歯科医師会の協力により区が実施する高齢の方向けの歯科健診ですと記載があります。すこやか歯科健診とは何だ、名称が分かりづらいという声をいただいておりまして、これは区としてどう考えていますでしょうか。
また、すこやか歯科健診の申込み方法は、成人歯科健診のように受診券が自宅まで送られてくるといった形でなく、お住まいの地区のあんしんすこやかセンターにお申込み、または担当ケアマネジャーに御相談くださいとのことです。歯科健診を受けるのにひと手間かかる形になっておりまして、この申込方法や通知方法も改善余地はないでしょうか、区としてどのように考えているか教えてください。
◆世田谷保健所副所長
すこやか歯科健診は、広報紙や、後期高齢者医療制度の長寿健診などにより制度周知を行い、対象者はあんしんすこやかセンターやケアマネジャーに申込みを行う仕組みとしております。この仕組みは、あんしんすこやかセンターの存在を区民に知っていただき、直接受け付けることにより顔の見える関係となり、すこやか歯科健診に限らず、高齢者に対するフレイル予防等のフォロー体制も効果として意義のあるものと認識をしております。
受診券の個別送付を行う場合、今申し上げた副次的効果は期待できなくなることや、名称の分かりやすさや一定の認知度などもあることを踏まえ、今後の個別送付や名称等を含めてどのような仕組みが効果的なのか、引き続き整理していきたいと考えております。
◆くろだ質疑
ぜひ受診率向上のために、引き続き歯科医師会とも連携を取り、検討いただきたいと思います。
また、最後になります。障害者の地域生活支援について質問いたします。
令和4年度決算における主要施策の成果を確認しておりまして、施策五、障害者の地域生活の支援についての予算執行率が77%で、ほかの事業より低くなっておりました。この要因は何でしょうか。
◆障害保健福祉課長の答弁
世田谷区未来つながるプランに掲げる四つの柱のうち、高齢者・障害者をはじめすべての区民の健康と生命を守るの施策五として、障害者の地域生活の支援を掲げております。施策を構成する予算事業は、障害者差別解消推進、医療的ケア児者の支援の充実、精神障害者ピアサポート、医療的ケア児預かりの充実でございます。
執行率が低い要因として、医療的ケア児者支援の充実のうち、ポータブル電源等の購入で入札により落差金が生じたことと、医療的ケア児等支援事業の実施件数の減少が挙げられます。医療的ケア児等支援事業の減少につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により、医療的ケア児やその家族の外出の自粛や、支援事業者が応募を見送ったことが原因と考えております。
令和五年度は、医療的ケア児ときょうだいのファミリーを対象とした外出のイベントを三事業、医療的ケア児を育てる世帯の災害支援体制づくりを二事業予定しており、今後も医療的ケア児とその家族の支援に取り組んでまいります。
◆くろだ質疑
執行率が低い原因は、コロナの影響や入札価格が安く収まったことなどによるものだと理解をいたしました。本年度の事業実施の結果も今後確認していきたいと思います。
決算資料をさらに確認しておりますと、精神障害施策についての成果指標として、ピアサポーターによる支援を受けた精神障害者数を設定していますが、こちらは達成率54%、評価Cという状況でした。また、ピアサポーターと支援者が協同してピアサポート活動を行う新規団体数の目標は5団体で、実績がゼロ団体となっていました。
先日、福祉保健常任委員会の視察においても、若年性認知症当事者のピアサポート事業についてお話を伺い、私もピアサポートについての理解が進んだところでした。障害のある方が同じように障害のあるほかの方に対して、御自身の経験を生かし相談を受けたり、仲間として活動をしたりということは、本人たちが主体的に自立的に地域で生活をしていく上で大切だと考えております。
さきの定例会の区長招集挨拶でも、精神障害者のピアサポーターについて触れるコメントがあり、区として取組を進めていく姿勢だとは思っておりますが、どういった原因があってこのような評価となっているのでしょうか。そもそも施策として効果的なアプローチなのか、指標として設定するのに適切だったのかといった観点で質問させていただきます。教えてください。
◆障害保健福祉課長の答弁
ピアサポート活動は、同じ立場や課題を経験したことを生かし、仲間として支えあう活動であり、この活動を行う方がピアサポーターとなります。
区では、精神障害の当事者支援に効果的な役割を果たすことができるピアサポーターの養成、活躍支援と地域におけるピアサポート団体活動の支援に取り組んでまいりました。ピアサポート活動の団体支援については、令和4年12月から受付し、2団体から申請の相談を受け付けておりましたが、申請には至りませんでした。令和五年度はこの2団体を含めた3団体からの申請を受け付け、現在、補助を実施しております。また、ピアサポーターの養成、活躍支援につきましても、令和4年度は、養成研修を実施し、今年度から活動の場の拡充に取り組んでおります。
引き続き、精神障害当事者や家族、関係機関などから御意見をいただき、ピアサポート活動の拡充に取り組んでまいります。
◆くろだ質疑
全く団体の立ち上げが進んでいないというわけではなく、相談を受けていたが設立までには至らなかった、今年度、無事設立までこぎつけ、補助が行われているということで安心をいたしました。今後もぜひ当事者の皆様への効果的な支援を区として行っていただきたいと思います。
以上で私からの質問を終わり、阿久津委員に替わります。
以上。
◆くろだ質疑
私からは、まずさきの決算特別委員会企画総務所管の質疑にて触れたふるさと納税制度を利用した学校への寄附について、企総での答弁では、関係所管と連携していくとのことでしたので、こちらでも質問いたします。
昨年の決算特別委員会でも、他会派から、区立小中学校を指定しての寄附について同様の質疑があり、また、先日まで実施されていた車座集会においても同様の意見が区民から上がったとのことを聞いております。
昨年決算から一年ほど経過しておりますが、当時の答弁以降、どのような動きがあったのか確認したいと思います。
学校間での差が生じ、教育現場や児童生徒への影響が考えられることを懸念として挙げられていましたが、先行する自治体では、寄附額を非公表とするなど対策を取っています。また、寄附金の全額を学校へという自治体もあれば、七割をという自治体もあります。また、北海道では、指定の学校への寄附というのと、全道立学校の生徒を対象とした留学事業等への利用という二つで、50対50、80対20、0対100という形で割合を選べるようにしていました。
ほかにも、各学校で寄附をどのように活用していくか事前に案を出して、ふるさと納税先を選ぶ方向けに提示をしている自治体もあります。内容に応じて寄附募集額について学校ごとの目標を掲示している自治体もあります。
先日の答弁でも、文科省が提示しているふるさと納税活用事例を確認するとありましたが、参考にできる自治体が増えてきている今、改めて前向きに実施に向けて取り組んでいただきたいと思います。
区立小中学校を指定してのふるさと納税について、これまでの検討状況はいかがでしょうか。また、実施に向けた課題、整理されているかとは思いますが、何が課題となるのでしょうか。今後の取組と併せてお伺いします。
◆教育総務課長の答弁
特定の学校を指定し寄附できる制度でございますけれども、母校やお子様が在籍している学校を直接応援できる仕組みとして、寄附者にとっては非常に分かりやすい制度であると認識してございます。また、ただいま委員から幾つか御紹介していただきましたように、寄附額などを非公表とすることで、一見して学校ごとの比較ができないような方法など様々な工夫を取り入れながら制度を導入する自治体が増えてきている、このことも認識をしてございます。
一方で、寄附額などを非公表にしたとしても、多くの寄附が集まる学校と、どうしてもそうではない学校との格差が生じることには変わりなく、そのことによる学校現場や児童生徒への影響など、依然として整理すべき課題があると考えてございます。
区では、平成31年3月、教育に係る環境づくりに資することを目的とした世田谷遊びと学びの教育基金を創設しておりますが、翌年からのコロナ禍の影響もございまして、児童生徒の海外交流派遣事業をはじめ、基金のさらなる活用策の検討が進んでいない状況がございました。この間、改めて遊びと学びの教育基金の具体的な活用策の検討を開始しておりまして、この基金がただいま委員御提案の学校を指定した寄附金の受入れ先となり得ることからも、基金全体の活用策の検討を進める中で整理したいと考えてございます。
世田谷区立学校で学ぶ約五万人の子どもたちの教育活動や教育環境が一層充実したものとなりますよう、先行導入している自治体の状況や制度内容も十分見極めながら、関係所管とも連携し、引き続き制度導入に関する諸課題の整理とともに、検討を進めてまいりたいと考えてございます。
◆くろだ質疑
先行する自治体での寄附目標額を設定することで上限設定をする形など、格差が生じることへの対策については参考になる取組が既に多く実施されています。学校指定のふるさと納税については、寄附者一人当たりの寄附上限を定めるといった方法を取るのもありだと思います。教育基金の活用策についても、海外教育交流派遣事業だけでなく、子どもたちの意見を取り入れるなどして、ぜひ柔軟に前向きに御検討いただきたいと強く要望いたします。
続きまして、学び舎についてお伺いいたします。
令和4年度決算における主要施策の成果を確認しておりますと、施策15、教育総合センターを拠点とした質の高い教育及び保育の推進の中の15―3学び舎による連携・交流の保護者認知度、これが目標達成率87.3%、評価Bでした。達成率が劇的に悪いということではないのですが、保護者認知度の実績は48%、保護者の半分以上が、学び舎による連携・交流について知らないという状態でした。
さきの本会議の一般質問におきましても、私から未就学児の通園先に触れた際に、区立や私立の幼稚園、保育園も学び舎に参加するようになったということを答弁いただきました。学び舎の連携・交流の幅が広がり、未就学児の教育・保育の質が高まることを期待しているのですが、保護者の認知度が低いという件において、どうしてあまり認知が進まないのか、この理由や、本年度改善するための取組などはあるのでしょうかお伺いします。
◆乳幼児教育・保育支援課長の答弁
学び舎は、地域において区立小中学校と乳幼児教育・保育施設が連携し、質の高い教育活動を目指す区独自の仕組みでございます。
従来、学び舎は、中学校区を単位に区立小中学校がグループを構成し、質の高い教育活動を目指す仕組みとして出発いたしました。その後、令和2年度から区立幼稚園が加わり、令和4年度から私立幼稚園と公私立の保育所等に参加対象を拡大いたしまして、徐々に連携・交流を進めているところでございます。
現在の学び舎の活動といたしましては、区立小中学校と乳幼児教育・保育施設の連携、子どもや教育・保育者同士の交流を主としておりまして、子どもや教員、保育者と比較して、保護者の認知度が高くない傾向にあるというふうに考えております。
こうした状況を踏まえまして、区といたしましては、今後、学び舎の枠組みを生かした連携・交流活動を一層活性化するとともに、今後、作成、配布を予定しております家庭版の世田谷区教育・保育実践コンパスによる周知など、多様な情報発信を通じて、学び舎の認知度が高まるよう工夫してまいりたいと考えております。
◆くろだ質疑
家庭版の教育・保育実践コンパスについては、学び舎だけでなく、世田谷区の教育・保育についての理解を保護者が深める一助になるかと思います。周知に期待をいたします。
決算資料をさらに確認しておりますと、学び舎に参加・連携した乳幼児教育・保育施設は、令和四年計画の75施設を大幅に超え、117施設となっておりました。こちらは大変前向きな状況かなと思うのですが、学び舎の参加施設を具体的に見ていると、私の息子が通っている保育園の名前を発見しました。あれ、学び舎に参加していたのかということで驚いたのですが、同時に、恐らくこの学び舎の連携交流というものは、ほとんど何も行っていないのではないかと心配になりました。
実現に向けた取組と成果指標があまり結びついていないのか、連携交流が各地域によってばらばらなのかなとも思うのですが、学び舎の具体的な連携交流としてどんなことが行われているのか、どのように進んでいくのか、実績や計画についてお伺いいたします。
◆乳幼児教育・保育支援課長の答弁
先ほど御答弁申し上げたとおり、学び舎の参加対象を、公私立の幼稚園、保育所等まで拡大したことにより、その後さらに参加施設数が増加しておりまして、令和5年9月現在で172の乳幼児教育・保育施設が学び舎に参加をしております。
昨年度実施いたしました学び舎に参加している施設を対象としたアンケートなどによりますと、具体的には参加施設相互の参観、見学や合同の研修会、研究会の実施、中学生や小学生による幼児への読み聞かせ、小学校一年生と幼稚園、保育所等の幼児との交流会など様々な取組が行われております。
学校や園によりまして、連携交流の進み具合にある程度の差は生じておるところでございますが、学び舎の拡大を契機に、区立小中学校と乳幼児教育・保育施設の連携交流が徐々に進みつつあると認識しております。
区といたしましても、乳幼児教育支援センターを中心といたしまして、学び舎への参加施設の一層の拡大を図るとともに、保幼小中の連携の促進を支援してまいりたいと考えております。
◆くろだ質疑
参加する幼稚園、保育所が今年度さらに増えているということは、就学前の施設側としても、小中との連携に期待、メリットを感じているということだと思いました。連携交流の進捗度合いの差分が解消されるように、ぜひ区としてフォローしていただき、さらに連携促進を頑張っていただければと思います。
もう一つ、決算資料から確認をさせていただきます。施策の11、知と学びと文化の情報拠点としての新たな図書館の創造について、成果指標として設定されている中高生の図書館利用登録率が39.7%、達成率90.2%で、評価Bという状態でした。
これは、コロナ禍による活動休止等も影響とのことですが、今年度はこの影響が取り除かれつつある状況かと思います。取組の状況などはいかがでしょうか。
◆中央図書館長の答弁
区立図書館における中高生の図書館利用率は、令和二年度が43.3%でしたが、令和三年度以降は約40%という状況で、コロナ禍による影響があったものと推測いたします。一方、区立図書館では、毎年、小学校一年生に対して共通利用カードを配布し、子どもの図書館利用の充実に努めております。
しかしながら、小学生までは図書館を利用していた児童も、中学生になると図書館利用が減少しており、中高生に対する読書習慣の継続並びに定期的に図書館を利用してもらうようにすることが課題であると認識しております。そこで、今年度、ショートショートの書き方講座を実施し、完成した作品を電子書籍サービスで掲載しており、電子書籍など中高生になじみがあるサービスから図書館利用へと結びつけるなどの新しい取組を進めているところです。
現在策定を進めている第三次世田谷区立図書館ビジョンの素案では、施策の方向性として、中高生世代の居場所となり、その成長を支える取組を掲げており、中高生世代にとって居心地のいい居場所づくりや、興味のある資料の充実を図ることで、中高生世代の図書館利用の拡充に取り組んでまいりたいと思います。
◆くろだ質疑
無料で利用ができる図書館は、小学生のときから親しんでいればなおさら、気軽に立ち寄りやすい施設であり、中高生世代の居場所の一つとなりうると思います。ぜひ取組を進めていただきたいです。
また、中高生の図書館利用率向上のために一つ御提案もあります。令和4年度の区政モニターアンケートや車座集会などで、中高生の居場所がない、自習室がないといった声がありました。過去にも他会派から同様の意見が出ていますが、図書館における勉強用の席、自習室やグループ学習室などを用意していくこと、そして中高生が使えるように広報をしていくことが非常に重要だと考えています。
図書館になじみがないと、やっぱり何となく行きづらかったり、入ってみたらしんとしていて緊張するなという心理もあると思います。勉強するところがあるのかな、勉強していいのかなと不安に思う場合もあるかと思います。
実際に検索サイトなどでは、自習室無料とか、世田谷区自習室といった形で検索をしてみると、世田谷区の図書館で自習したことがあるか、どんな席か、注意されたことがあるかといった情報がまとまったブログなどもでてきます。図書館を利用する手前でちゅうちょする子どもも多いのではないかと思いました。このあたり、自習室、勉強用の席の用意や勉強できる場所として広報することについてどのような考えでしょうか、お答えください。
◆中央図書館長の答弁
区立図書館では、中高生の図書館利用率を高め、中高生世代が行きたくなるような図書館になるよう居心地のいい場所づくりに加え、中高生世代の興味関心に合ったイベントの開催、中高生世代向けの資料の充実などを図っていく必要があると考えております。
さらに、委員の御提案のとおり、こうした取組を行っていることを中高生世代に知ってもらい、興味を持ってもらうきっかけづくりが重要であるとも考えております。まずは、広報の仕方について、学校緊急連絡情報配信サービス、すぐーるの活用やインスタグラムといったSNSによるイベントの周知など、できることから発信できる図書館に取り組んでまいります。
また、こうした取組と併せて、第三次図書館ビジョンで掲げる中高生世代の成長を支援する取組を実現するために、現在改築中の梅丘図書館において、落ち着いて勉強のできる場所や中高生世代が来たくなるきっかけづくりなどについて、モデル的に取り組んでまいります。
◆くろだ質疑
ご答弁で気になった点が二つあります。
中高生世代向けに周知啓発するのは、イベントや資料の充実のみなのでしょうか。勉強ができる場所として周知することは難しいでしょうか。様々な利用者がいて、勉強で長時間席を占領されるのが嫌だという方も中にはいらっしゃるかとは思いますが、家で集中できない子、お金がなくても勉強できる場所ということで、ぜひ図書館にも応援いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
また、梅丘は改築中ということで計画されているとは思うんですが、区内様々な場所で居場所に困っている中高生世代がいると思います。そのほか、梅丘の改築中の図書館以外で勉強可能な机の数などは足りているのでしょうか。二点お伺いいたします。
◆中央図書館長の答弁
従来、図書館の閲覧席は図書館資料を読む席と認識されており、学生が勉強していると利用者の方から注意しろと度々お叱りを受けていました。しかし、閲覧席と名づけておりますが、社会人、学生に限らず、読書や調べ物、さらに勉強に利用いただいてよいと考えております。地域図書館におきましては、土日や夏休み期間など特定期間は不足している状況ですが、今後少しでも努力してまいります。
第三次図書館ビジョンに記述させていただいたとおり、今後は中高生世代の居心地のよい図書館を目指しており、施設に余裕のある中央図書館において、学生用の席の指定など様々な工夫を行ってまいります。
◆くろだ質疑
図書館の利用者の方はたくさんいらっしゃると思うので、調整が大変難しいかとは思うのですが、子どもたちの学び、勉強をしっかり応援していただけるように要望させていただきます。
最後に、本会議や、さきの委員会でも取り上げられておりましたリプロダクティブ・ヘルス/ライツ、包括的性教育について、保健所が今後取り組んでいくということで動いていますが、教育委員会との連携が必須であるため、本日質問をさせていただきます。
私は女性として、そして、子どもたちの母親として切実に、性にまつわる情報や知識について科学的根拠に基づいた正しい知識、情報を持つことが、子どもたちの心と体を守る上でとても大事だと考えています。
さきの福祉保健での質疑において、HPVワクチンについて取り上げ、富山県の話をしました。富山では二十数年前から、産婦人科医師が全中学校に性に関する出前授業を行うという取組を続けています。教育現場で子どもたちをそばで見ている先生方が、発達段階をよく確認し、性教育が必要なタイミングで授業を行う。そして、テストやアンケートなどを行い効果があったのかどうかをはかり、保護者にもきちんと理解をしてもらうということを徹底的にやっています。
産婦人科の医師が科学的根拠に基づいた知識、情報を、教育現場の先生たちと協力し、子どもたちの発達段階に合わせて保護者の理解をしっかりと得た上で実施していくこの富山の取組は、非常に参考になると考えています。
ただ、一方で、性教育については保護者の中にも様々な意見や考え方があります。内容が発達段階に合わないのではないか、過度に個人の思想、主義主張の色濃い内容になっていないか、科学的根拠を欠いた内容となっていないかなど、不安の声を無視せずに丁寧に対応していかねばならないと思っています。
リプロについては教育委員会との連携をしていくという保健所からの答弁がある中で、教育委員会としては今後どのように取り組んでいくのでしょうか。
◆副参事の答弁
リプロダクティブ・ヘルス/ライツの周知啓発は、児童生徒が性と健康に関する正しい知識や情報を得て認識を深めるとともに、自他ともに尊重される人間関係を構築することなどのために大切であると考えております。児童生徒に周知啓発を図る際には、委員御指摘のとおり、個々の生徒の発達段階に応じることや、保護者の理解を得ること、また、指導内容を学校全体で共通理解することや、状況に応じて集団指導と個別指導を工夫することなどを配慮して実施しているところでございます。
保健所が進めている思春期世代に向けたリプロダクティブ・ヘルス/ライツの専門部会には教育委員会の職員も参加しておりますので、引き続き、関係機関等と連携をしまして、区立中学生への適切な周知啓発に努めてまいります。
◆くろだ質疑
子どもたちの発達段階に応じること、保護者の理解を得ることなどは、教育委員会としてぜひしっかりと丁寧に取り組んでいただけるようお願いいたします。
HPVワクチンを例に挙げますが、まれに起こる副反応や副反応ではないかと思われる症状がセンセーショナルに報道され、副反応のデメリットばかりを強調した情報が流布されることにより、多くの方がワクチンのメリットについてあまり理解ができないままに、定期接種にもかかわらず、積極的勧奨が停止されました。結果、子宮頸がんによって、年間約3,000人の女性が亡くなるという状況が今も続いております。
ワクチンの有効性、安全性については、国内だけでなく海外の研究でも示されていますが、センセーショナルに報じられたHPVワクチンが原因とされる多様な症状について、ワクチンとの因果関係があるという科学的根拠は、いまだに示されておりません。世界では、子宮頸がんは今世紀中に撲滅できるがんとして、HPVワクチン接種率と、子宮頸がんの検診の受診率を高めようと各国が取り組んでおります。
このように、正しい知識や情報、これは大人でも得ることが難しいものです。偏った意見や思い込みにはまると、何が正しいのか分からなくなることもあると思います。それでも、自他ともに尊重される人間関係を構築するために、相手のことも自分のことも思いやり大切にするために、科学的根拠に基づいた知識情報を伝えていけるよう、子どもたちにしっかりと教えていただけるよう、ぜひ今後も適切な取組をお願いします。
私の質問は終わり、和田委員に替わります。
以上。