◆くろだ質疑
飲酒運転は絶対に駄目だという認識は広まっていると思いますが、飲酒運転による事故のニュースは後を絶たず、業務使用の自家用自動車における飲酒運転防止対策を強化することを目的として、昨年、令和5年12月1日から、改正された道路交通法が施行されました。この内容、皆様、御存じでしょうか。そもそも、乗車定員11人以上の自動車1台、または自動車5台以上を所有する事業者は、自動車の安全な運転に必要な業務を行う者として、安全運転管理者の選任を行わなければなりません。この安全運転管理者がアルコール検知器を用いて運転者の酒気帯びの有無の確認を行うこと並びにその内容を記録して一年間保存すること及びアルコール検知器を常時有効に保持することを義務づけるという内容です。以前と異なるのは、アルコールチェッカーの利用が必要になったという点です。
なぜ私が福祉保健の質疑で道交法の改正について話をしているのかということですが、ここで確認したいのは、世田谷区内を多数走っているスクールバスがこの規則の変更を確認して正しくチェックを行っているかという点です。まず、幼稚園、そして保育施設について、該当する園、バスはどの程度あるのか、法にのっとりアルコールチェックを行っているのか、状況を教えてください。
◆子ども・若者支援課長の答弁
私立幼稚園は、年一回、東京都による現況調査の項目にスクールバスがございます。その調査項目に所有台数や安全装置の設置などがありますが、アルコールチェックの項目がなかったことから、今年度、追加調査として、アルコールチェックについても確認したところでございます。
その結果、乗車定員が11人以上の送迎バスを一台以上所有している私立幼稚園の数は17園、バスの台数は、複数のバスを有している園もあるため合計三十台でございます。また、全ての園で運転者の酒気帯びの有無を確認しておりますが、安全運転管理者を選任し、東京都公安委員会に届出を行い、アルコール検知器を用いて運転者の呼気の確認を実施している園は15園、実施していない園は2園ございました。
◆保育認定・調整課長の答弁
本制度に該当する保育施設は十施設あり、19台のバスが該当しております。そのうちアルコールチェック等を行っているのは五施設、12台、行っていないのは5施設、7台でございます。
◆くろだ質疑
アルコールチェック未実施という園や施設が存在すると確認できました。静岡県牧之原市のこども園でのバス置き去り死亡事故を踏まえ、令和5年より、園児の点呼やブザー等の設置が義務づけられました。子どもたちの安全を守るという観点からは、アルコールチェックについても重要だと考えます。法令遵守しているか各園に対して確認を求めること、もしくは情報周知を徹底するということが必要だと考えますが、それぞれ今後どのように対応されますか。
◆子ども・若者支援課長の答弁
私立幼稚園への情報提供につきましては、特に東京都公安委員会に届出がなく、アルコール検知器を保持していない二園について、先月、区から安全運転管理者制度の情報提供を行ったところでございます。その際、それぞれの幼稚園から、この制度を知らなかったとの話とともに、早速、法令を遵守するよう対応していくとの連絡を受けております。今後、該当施設について確認を進めてまいります。
◆保育認定・調整課長の答弁
保育施設につきましては、現在のところ、立入調査時における指導基準には規定していないため、個別での確認はしておりません。しかし、お話のとおり児童の安全を担保するという観点で重要なことと考えております。今後、該当施設において確認を進めてまいります。
◆くろだ質疑
ぜひ確認を進めていただきたいと思います。スクールバスに限らず、この法改正は全分野に及びますが、認知不足がうかがえるため、本件は都市整備領域にて別途質疑をしたいと思います。
続いて、新型コロナワクチン接種事業について伺います。
10月1日より、高齢者への新型コロナウイルス感染症のワクチン定期接種が始まりました。コロナワクチンはまだ非常に高価ですが、国、都、区で最大限補助を行い、対象の方は自己負担二千五百円で打てることになりました。インフルエンザワクチンの定期接種対象と同じ方々が対象となっております。同時接種も可能とのことです。国は、高齢者の方が感染した場合の重症化を懸念して定期接種の対象としているわけなので、ぜひ対象の方は医師と相談していただきたいと思います。
ただ、現在、この新型コロナウイルスのワクチンについて、特に今回新しく使用されるMeiji Seikaファルマ製の新しいワクチンについて、ワクチンを打たせまいとする悪質なデマがSNSを中心に渦巻いております。Meiji Seikaファルマ製の新型コロナワクチン、コスタイベ筋注は、レプリコンワクチンとも呼ばれていますが、次世代mRNAワクチンです。新しい技術を使用し、これまでのmRNAワクチンよりも少ない有効成分量で抗体が長く持続するのが特徴です。接種されたmRNAが細胞内で一時的に複製されるように設計されていることから、この効果が長く続くというメリットが生まれるわけですが、自己増幅性があるワクチンという言葉から、体内でウイルスのタンパク質が無限に増殖するのではないかと誤解されて恐れられているようです。実際には、接種後に体内で無限に増え続けるということはありません。
また、このワクチンを接種した方の呼吸や汗などからワクチンの成分が伝播し、有害事象をもたらすシェディングがあるといったデマも散見されますが、これを裏づける科学的知見はなく、新型コロナウイルスワクチン接種にまつわるシェディングという事象の存在は、令和六年七月二日の岸田前総理の答弁においても否定されています。
ワクチンを打たせまいとするデマは、科学的知見、開発に携わる研究者の努力、これまでの公衆衛生の歴史を否定するものです。ワクチンを打つも打たないも個人の判断ですが、ワクチンを接種しようとする方に対して、デマで脅し、誹謗中傷を繰り返し、接種を妨害する行為は、他者の健康を脅かす可能性もあり、見過ごしてはならないと私は考えます。国も、風評被害を受けているMeiji Seikaファルマもきっぱりとデマを否定しています。区としても正しい知識の周知徹底を積極的に行うべきと思いますが、いかがでしょうか。
◆感染症対策課長の答弁
コロナワクチンについては、今まで使用されていなかったmRNAワクチンなどが導入され、様々な御意見があることは区でも認識しているところです。今回新たに導入されたレプリコンワクチンは、自己増幅型のmRNAワクチンですが、体内で無限に増幅されることはなく、また、他者へワクチンの成分が伝播するという科学的知見はありません。薬事承認されるに当たって既存のmRNAワクチンと比較し、安全性に大きな差異はないとされています。このような有効性、安全性の知見を踏まえ、国の審議会において定期接種で使用できることとされました。
区では、こうした国における評価結果の情報に基づき、接種券同封のチラシや区ホームページにおいて、ワクチンの効果や安全性だけでなく、副反応のリスクや接種における注意点についても御案内し、ワクチン接種に関しての主体的な選択を促すとともに、必要時、速やかに専門的な相談につながるよう取り組んでいきます。今後も、区民の方が御自身の意思に基づいて主体的な選択ができるよう、ワクチン接種に関する効果、リスクに関する適切な情報提供に努めてまいります。
◆くろだ質疑
レプリコンワクチンをはじめ、ワクチンの有効性、安全性については正しく周知し、全ての人の選択を守っていただきたいと思います。
続いて、やはり非科学的な言説にさらされることの多いHPVワクチンについて伺います。HPVワクチンは、定期接種にもかかわらず積極的勧奨が停止された時期があり、定期接種の対象時期を逃した方に向けて、今年度末までキャッチアップ接種の期間が設けられております。キャッチアップ対象の方は3回の接種が必要で、それぞれ期間を空けて打つために全部打つのに半年ほどかかります。接種一回目を9月中に行えれば標準的なスケジュールで年度内に3回打ち終えることができるということで、さきの9月は、キャッチアップの案内に、国、各自治体、医師の皆様も熱が入っておりました。
ただ、ここで手を緩めてはなりません。キャッチアップ終了まではあと半年あります。厚労省は、最短で四から五か月で三回の接種を完了させる短縮接種スケジュールを各自治体に示したとのことです。キャッチアップ接種の対象者で未接種の方、また、定期接種の対象者でも高校一年生の未接種の方で9月中の一回目接種が間に合わなかった方が諦めてしまわないよう、短縮スケジュールで年度内に接種完了できるということを周知すべきと思いますが、区の考えを伺います。
◆感染症対策課長の答弁
定期接種の最終学年に当たる高校一年生相当の方とキャッチアップ世代である平成九年度から平成19年度生まれの方は、令和6年度末が接種期限となっています。使用される三種類のワクチンは、いずれも標準的な接種間隔では接種完了まで6か月かかるため、一回目接種が10月以降になると接種完了できない場合があります。
区といたしましては、地区医師会及び各医療機関と連携し、接種期間を短縮することができる標準的な接種方法を取ることができない場合の接種間隔について周知していくとともに、引き続き、適切に接種できる環境の整備に努めてまいります。
◆くろだ質疑
HPVワクチンは、男性が接種すると、中咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマを防ぐ効果があり、任意接種で全額自己負担となっておりますが、この10月より、東京都の補助と区の補助により、女子の定期接種対象者と同じ年代の男子は自己負担なし、無料で打てるようになりました。
ただ、これまでも指摘しておりましたが、標準的な接種スケジュールでは、これから全3回を年度内に打ち終えることは難しくなります。この補助事業が来年度も続くことを前提に考えると、年度をまたいでも大半の対象者は補助を受けられますが、来年度は対象から外れる高校一年生は途中から補助を受けられない可能性が高いです。これまでも伺ってきましたが、現状、どのような救済措置を検討されていますか。
◆感染症対策課長の答弁
HPVワクチンは、標準的な接種間隔では接種完了まで六か月かかるため、10月より開始した男性HPV予防接種助成事業では、対象学年の高校一年生相当の方は、三回目接種が間に合わない場合があることは認識しております。
区といたしましては、令和六年度内に接種を開始された高校一年生相当の方に対して、令和7年度に限り救済措置を検討してまいります。
◆くろだ質疑
措置内容が固まり次第、周知をお願いいたします。男子の接種については、知っている保護者、子どもが少ない上に、世田谷区のホームページの情報もまだ不足しているという御意見もいただいております。より内容を充実させていただきたいと要望します。
私がHPVワクチンについて何度も取り上げるのは、HPVワクチンによって防げる子宮頸がん、これが撲滅可能ながんだからです。予防できるがん、ワクチンを打ってくれれば命を落とすリスクや早産、流産などのリスクを減らせます。ワクチンの安全性も確認されています。日本以外の各国では撲滅の見込みも見えています。そんな優秀なワクチンなのですが、私は打てていません。このワクチンが登場する前の定期接種化される前の世代だからです。
ワクチン以外で子宮頸がんを予防する方法として、子宮頸がん検診が非常に重要です。世田谷区では、20歳以上の女性に2年に一回の受診を案内しています。この検診は、問診、視診、内診、細胞診検査――これは子宮の細胞を採取して検査を行うものですが、この細胞診検査に代わるものとして、HPV検査という方法があり、先日も他会派から質問が出ていました。今年に入り、国は、細胞診に代わってHPV検査単独法を導入することについて、各種要件を満たした自治体に限り推奨するという指針を示しました。HPV検査単独法に切り替えるメリットとしては、子宮頸がんの早期発見、治療につながること、検診間隔を二年に一回から五年に一回へ変更できることで検診を受ける方の負担、また、自治体の事務負担を減らせることなどが挙げられます。
しかし、自治体が満たすべき要件の中には、受診者の情報と検診結果を保存するデータベース等を有し、個別の対象者の検診受診状況を長期に追跡することが可能という今の区では到底無理だと思われる要件も含まれています。フォローアップが完璧に行われなければ、今実施中の細胞診よりも予防効果が落ちるという指摘もあり、切替えに当たっては慎重に課題をクリアしていかねばならないと考えますが、区は、HPV検査単独法への切替えをどのように考えていますか。
◆健康企画課長の答弁
委員お話しのとおり、現在行っている2年に一回の細胞診検査から、陰性であれば5年に1回、陽性であればその検診1年後に受診いただくHPV検査単独法に切り替えることは、検診の精度管理等の課題以外にも、区民の方々や対象者に検診の意義と特徴を理解していただく必要があるため、普及啓発や周知方法を検討する必要がございます。また、現在実施している細胞診検査とHPV検査単独法は同じ推奨度であり、本年2月にがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針が改正されたからといって、必ずしもHPV検査単独法に切り替えなければならないわけではございません。
しかしながら、陰性であれば5年に一回の受診でよいHPV検査単独法は区民の負担軽減につながるため、切替えを検討していくことは必要だと考えております。切替えに当たりましては、個別の対象者の健診結果と精密検査の受診状況を長期に追跡し、個々の方に合わせた受診勧奨を行うことや検査会社の選定等、様々な課題を解決する必要があり、がん対策推進委員会等を活用し検討してまいります。
◆くろだ質疑
ぜひ各課題をしっかりと確認し、対応を検討いただきたいと思います。現在の子宮頸がん検診の受診率はまだ低く、子宮頸がん、HPVワクチンについての正しい知識を得ることなど、基本的な部分から区民全体の意識の底上げをしていく必要があると思います。受診率向上について、区の考えを伺います。
◆健康企画課長の答弁
子宮頸がん検診の受診率は、令和四年度で31.4%となっており、受診率の向上につきましては、継続して取り組むべき課題であると認識をしております。現在の受診率向上の取組としましては、女性特有のがんに対する正しい知識の啓発のために、子宮頸がんの原因やワクチン接種等を記載した子宮頸がん検診のカード型啓発物を、図書館等の区内施設や医療機関に配布をしております。また、若い世代へのアプローチとしまして、厚生労働省が定めている3月の女性の健康週間等のタイミングを活用しまして、SNSでの情報発信なども行うなど、普及啓発に努めております。
区のがん対策としましては、小中学校児童生徒へのがん教育の実施、HPVワクチンの接種率向上のための普及啓発、かかりつけ医への定期的な受診等、総合的にがん予防の推進に向け取り組んでおります。今後とも、受診率向上のみならず、世田谷区がん対策推進計画(第二次)の「がんの正しい知識を持ち、日頃から予防と早期発見に取り組むとともに、がんになっても必要な支援を受けながら自分らしく暮らせる地域社会の実現」という基本方針の下、施策を進めてまいります。
◆くろだ質疑
ぜひお願いいたします。今、子宮頸がん検診の受診率が令和四年度では31.4%と答弁がありましたが、これは区が実施しているがん検診の受診率であり、職域検診として職場の定期健康診断と併せて行っているがん検診、また、人間ドック等で自ら申し込んで受けたがん検診については情報を得られていないとのことです。がん検診の受診率を向上させるためにプロモーションを行うとしても、未受診の方にピンポイントでアプローチすることはできないという事実に改めて愕然としました。
この状況を打開する施策として、マイナンバーカードの保険証利用があります。マイナ保険証の普及が進み、自治体のシステム標準化が整えば、がん検診の受診状況を自治体が一元的に把握し、適切な受診勧奨につなげることが可能、引っ越し等で自治体をまたいでも情報が途絶えずに確認できるとのことです。妊婦健診や乳幼児健診、予防接種なども同様です。
健康医療情報の適切な活用は、健康寿命の延伸、効率的な社会保障制度づくりへつながります。マイナ保険証については、改めて正しくメリットを伝える広報、取得率、利用率の向上を区としても行っていただきたいと思いますが、考えを伺います。
◆国保・年金課長の答弁
区の国民健康保険のマイナ保険証の令和6年7月における利用状況については、被保険者数164,225人に対し、登録者数は77,032人、登録率は46.91%、利用率は13.42%となっています。
国は、マイナ保険証の特設ホームページを設けるとともに、5月から7月までをマイナ保険証利用促進集中取組月間とし、医療機関、薬局における窓口での声かけ等の取組への支援や、新聞広告、テレビCMなど、あらゆるメディアを動員した集中的な広報展開を行ってまいりました。また、これらに加え、ポスター、雑誌広告など、さらなる利用促進の取組を進めています。
区では、ホームページ、国保のしおり、国保だよりや限度額適用認定証の案内など、個別に送付する通知へのチラシの同封などを行い、マイナ保険証利用のメリットの御案内を行っております。さらに、区報やホームページ、SNSなど、多様な媒体で効果的な情報を発信し、利用率向上に向けて取り組んでまいります。
◆くろだ質疑
以前に、福祉保健常任委員会でマイナ保険証の登録率、利用率を伺ったんですけれども、そのときよりも数字が向上しているので、少し安心しました。ぜひ、これからも登録率、利用率の向上をお願いいたします。
次に、がん検診で発見することのできないがん、膵がんについて取り上げます。膵がんは、がん死亡数では肺がん、大腸がんに次いで3番目に死亡数が多いがんですが、対策型検診が存在しないがんです。早期発見が難しく、進行がんになるまでは症状も出にくいのですが、進行は早く、国立がん研究センターの2024年の統計では、膵がんの罹患者数は4万6千人、死亡者数は4万5百人となっていました。10年生存率は6.6%、がんが見つかったときにはほぼ手遅れというのが膵がんの特徴です。
広島県尾道地区、大阪府北部地区、岸和田地区など、幾つかの地域では、膵がん早期診断プロジェクトを行っています。尾道では、中核病院と地域連携機関において、チェックリストを用いた膵がん危険因子のスクリーニング、腹部エコー等を連携して行うことにより早期診断に取り組み、3年生存率の改善が見られました。ただし、これを東京都で行おうとすると、人口が多いために検診の対象者選定に一定の基準を要すること、地区医師会や基幹病院が複数あり、当該プロジェクト遂行のために連携を取りづらい、腹部エコーの精度が限られ、偽陰性や偽陽性が多くなることなどが懸念されます。
そこで、世田谷区において、区独自の膵がん早期診断プロジェクトを行うことはできないかと医師会から御提案をいただきました。区で実施する場合、医師会と医療機関との連携の問題はクリアしやすくなります。また、腹部エコーよりも精度の高いMRCPという検査を世田谷区保健センターにおいて行うことが可能です。ただ、このMRCPはコストが高いため、低コストで実施可能な新しいバイオマーカーを用いる方法なども併せて提案いただいております。区には、膵がんの問題を正しく認識し、早期診断プロジェクトの実施を検討いただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
◆健康企画課長の答弁
基礎自治体である区が担うがん検診は、国の指針に基づき、住民全体のがんによる死亡率減少効果が科学的に証明されている対策型がん検診で、肺がん、大腸がん、胃がん、乳がん、子宮頸がんの5つでございます。膵臓がん検診はこれに当たらないため、区が実施するがん検診に位置づけるものではございません。
区としましては、がんは、令和5年の世田谷区民の死因の24.9%に当たり第一位ですので、がんの種類にかかわらず日常生活での科学的根拠に基づくがん予防が大切だと考えており、禁煙する、節酒する、食生活を見直す、体を動かす、適正体重を維持する、この五つの健康習慣をがん検診のチラシ等に記載をしております。このうち、喫煙や過度な飲酒は、膵臓がんの主なリスク因子とされていることから、がん予防の一環としても禁煙支援や適正飲酒は重要でございます。区のホームページによる普及啓発や区の医師会、薬剤師会、歯科医師会の協力を得て、禁煙支援リーフレットを医療機関、薬局を通じて配布するなどの取組を進めております。
今後とも、対策型がん検診における国の指針改定の動向を注視しつつ、引き続き、科学的根拠に基づくがん予防の普及啓発に取り組んでまいります。
◆くろだ質疑
早期診断プロジェクトについて、またちょっと要望を上げていきたいなと思っております。
ここで畠山委員に質疑を替わります。
以上。
◆くろだ質疑
私は先日の福祉保健領域の質疑において、スクールバスのアルコールチェックについて取り上げました。飲酒運転対策の一環として、アルコール検知器を用いたチェックや、その内容を一年間保存することなどが、乗車定員11人以上の自動車1台または自動車5台以上を所持する事業者に義務づけられております。世田谷区も自動車を何台も所有して日々の業務の中で使っているので、どうなのかなと思っていましたが、一事業者として、この法改正に基づいて、区有車を運転する前にはアルコール検知器をきちんと使ってチェックをしているといった話を伺いまして安堵しました。
ただ、先日の質疑においては、私立幼稚園において2園が、認可外保育施設においては4事業者が、安全運転管理者の義務としてアルコール検知器でのチェックが必要になっているといった一連の法改正について知らなかったということが分かりました。本来であれば、道交法の改正については警察庁が周知すべきことだと思うのですが、区としても機会を捉え周知することが望ましいのではないかと考えます。
確認したところ、第11次世田谷区交通安全計画の中には、安全運転管理の充実という項目があり、安全運転管理者及び副安全運転管理者に対する講習を充実し、その資質と管理技能の向上を図りますと記載がありました。この内容を踏まえますと、安全運転管理者によるアルコールチェックの義務化に関して、世田谷区交通安全計画の中に盛り込んでいくべきと考えますが、区の考えはいかがでしょうか。
◆交通安全自転車課長の答弁
世田谷区交通安全計画は、交通安全対策を総合的に推進するために、交通安全対策基本法により、都の交通安全計画に基づき作成するものと規定されており、現在の第11次世田谷区交通安全計画は、令和3年度から令和7年度までの5年間の計画で策定しております。
同計画では、重点施策の一つに飲酒運転の根絶を挙げており、区はこれまで区内四警察署と連携し、春、秋の全国交通安全運動、各種交通安全キャンペーンなどにおいて、関係機関、団体、地域住民などと一体となって、飲酒運転の根絶を含む交通安全の推進に取り組んでおります。
今後、各種キャンペーンの際には、アルコール検知器を使った確認の大切さをドライバーに働きかけるとともに、第12次計画策定の際には、関係法令の確認を行い、警察等の関係機関や交通安全協会、区民からの意見などを伺いながら、必要な改定を行ってまいります。
◆くろだ質疑
飲酒運転の根絶ということで、これまでも様々な機会を通じて取り組んできたことが分かりました。今後の計画策定において、関係法令を確認いただきながら必要な改定を行っていかれるとのことなので、ぜひ区としても必要に応じて情報提供を行う、周知をするなど、引き続きお願いしたいと思います。
次に、9月の都市整備常任委員会にて報告のあった、多世代の近居・同居推進に向けた転入・転居費等助成事業について伺います。
自由民主党世田谷区議団として、昨年は畠山議員から多世代の近居を推進すべきと代表質問で述べており、会派視察においては、神戸市で行われている多世代近居・同居推進の取り組み、補助事業について確認し、区にも対応を求めてまいりました。今回、多世代の近居、同居をされる場合に、転入・転居費用を助成する事業を来年度から新設するという報告を伺い、非常にうれしく思っております。
世田谷区では、ゼロから四歳代の子ども、また三十代、四十代の子育て世帯が転出超過の傾向にあります。住宅の広さや間取り、住宅費用の問題など要因は様々絡みますが、世田谷で子育てし続けたいという区民を増やすべく、来年度からひとり親世帯家賃低廉化補助事業における対象住戸増に向けた賃貸人への助成の拡充、子育て支援マンション認証制度及び事業補助金の見直し、区営住宅における子育て世帯向け住戸の拡充などを行う予定で、今回取り上げている多世代の近居、同居推進に向けた事業もこの対策の一つとなります。
世田谷区の子育てに関するデータを確認しますと、日常的に子どもを見てもらえる親族や友人、知人が誰もいないと回答した割合は、未就学児55.5%で、祖父母の同居、近居がない世帯に限ると76.1%に跳ね上がります。一方で、祖父母の同居や近居がある世帯では、七割から八割以上の世帯で祖父母等に日常的に子どもを見てもらっています。このことから祖父母との近居、同居は、孤立しがちな子育て世帯への支援として、世田谷区での子育て環境を改善するために有効な手段であると考えます。
私の知る範囲でも、祖父母世帯と同じマンションの別の部屋に住んでいて、日々、何かと助けてもらっているという子育て世帯の友人や近所に住む孫たちをよく預かっていて、日々、パワーを持っていかれていますと笑う祖父母世代の方など、既に多世代近居されている方々がいらっしゃいます。先行する神戸市での取組も補助制度の利用者から一定の評価を得ており、施策の効果も出ているということで、世田谷区での事業開始に大いに期待をしております。
ただし、そもそも転居というのは人生において大きな決断となります。特に子育て世帯については、保育園や小学校、物件の広さ、部屋の数など、考慮すべき複数の要素が絡み、タイミングや転居先の地域など様々な検討を重ねる方が多いのではないでしょうか。それを踏まえると、本事業に関しては、来年度予算が確定次第、可能な限り速やかに周知を行っていただきたいと思いますが、どのように広報を行っていくのでしょうか、区の考えを伺います。
◆居住支援課長の答弁
本事業は、区内に一年以上在住する親世帯または子世帯と、新たに区内で近居、同居を開始する子世帯などに対しまして、30万円を上限に転入、転居に関する初期費用の一部を助成するものでございます。
本事業の御利用の多くは区外在住の方が想定されますので、「区のおしらせ せたがや」やホームページなどによる区内在住の親世帯等を通じた周知のみならず、区外の方に直接届くような広報、PR等が非常に重要であると認識しております。
一般的に転居の検討に当たりましては、不動産会社を介するケースが基本になるため、まずは不動産団体を通じて、区内近隣の不動産会社に事業周知協力をいただくとともに、例えば不動産ポータルサイトや子育て応援サイトでのPRなど、民間との幅広い連携による情報発信も効果的であると考えております。
委員お話しのありましたように、転居はライフイベントの中で大きな決断を伴うものでありますので、転居を検討する方に最大限に情報が行き渡り、事業の趣旨に沿った近居、同居が促進されるよう、今後、多様な媒体を活用した効果的な広報手法等について詳細に検討してまいります。
◆くろだ質疑
御答弁いただいたとおり、区だけで広報してもターゲットとなる方へなかなか伝わりづらい部分もあるかと思います。この事業を活用し、世田谷区に引っ越してよかったと多くの方に思っていただけるよう、ぜひ民間との幅広い連携で最大限周知いただけますよう、よろしくお願いいたします。
続いて、マイシティレポートについて伺います。
世田谷区は道路の不具合をスマホアプリから簡単に通報できるサービス、マイシティレポートを今年度から導入しました。昨年度までは、LINEでの道路の不具合通報サービスも行っていましたが、LINEでは通報するのみ、区からの返答ができないということで、返答が可能なマイシティレポートに一本化したと聞いております。
自分もアプリをダウンロードしてみましたが、地図上で場所を確認しながら簡単に報告ができるアプリとなっております。ほかの方の報告も確認できるので、まねして報告がしやすいつくりとなっていました。
今年度本格導入したことで、前年度までとの変化があったのか、前年度、今年度の状況を確認します。また、区民の皆様と話していて、マイシティレポートを知らないという方もまだまだたくさんいらっしゃるようなので、これまでの周知啓発、今後の対応についても併せて伺います。
◆土木計画調整課長の答弁
スマホアプリを活用し、区民から道路の異常、損傷などの通報を受けるシステムにつきましては、昨年度までの試行運用の状況から、本年4月よりマイシティレポートにより本格運用を始めたところでございます。
昨年度の試行運用では、マイシティレポートによって年間145件の通報がございました。これに対し本格運用では、9月末までで182件の通報をいただいており、一日当たりの通報件数で比較しますと、約2.5倍に増加してございます。
また、主な投稿先を世田谷区として新規にユーザー登録をされた方の人数も、試行運用中の一年間で約80名から本格運用開始後の半年間で約180名と大幅に伸びてございます。本格運用に際しまして、ホームページ、「区のおしらせ」、公式エックス、フェイスブック等で周知したほか、運用開始後にメディア取材などもあり、このようなPR活動の効果が現れたものと考えております。
区といたしましても、本サービスの利用が広がることで道路の異常や損傷の早期発見が進み、道路の安全性向上につながっていくことを期待してございます。今後も様々な機会で新たなユーザーの掘り起こしを進めるとともに、既に登録されている方々に対しまして、アプリを通じてアンケート調査を行い、サービスの満足度を確認するなど、既存ユーザーのさらなる利用促進も図ってまいります。
◆くろだ質疑
通報件数の増加が一日当たり2.5倍と顕著に見られて大変喜ばしい反面、対応する区としては数が増えるのは大変かとは思いますが、多くの区民にさらに広く、深くアプリを御活用いただけるよう、今後も対応いただければと思います。
次に、成城学園前駅周辺のまちづくりについて伺います。
9月7日に成城学園前駅南口広場において、「成城学園前駅近の自然ってなんだろう~駅周辺のみどりについて考えよう~」というイベントが開催されました。成城周辺の生き物や緑について知るイベントで、キッズスペースやオリジナルの木のストラップづくりをできるブースもあり、私も家族で伺いました。我が子らが楽しんでいたのはもちろん、ほかの親子連れの方々も次々に訪れ、カブトムシに触ったり、成城の緑に関するパネル展示を見て町の方とお話ししたり、にぎわう様子が見られました。区によると三百名を超える方が参加したとのことです。
今後、成城地区街づくり計画の変更に取り組んでいく、そのキックオフとして開催されたイベントだったとのことですが、まず、成城のまちづくりに取り組むきっかけは何だったのか、これまでの取組を確認します。
◆砧総合支所街づくり課長の答弁
成城学園前駅周辺地区は、小田急線連続立体交差事業を契機に平成23年に世田谷区街づくり条例に基づく地区街づくり計画を策定しております。また、成城自治会がみどりとゆとりに包まれた公園のような環境を持つまちの在り方として策定した成城憲章などと併せ、周囲と調和した建築物のデザインや生け垣等による緑化の推進、南北の駅前通り沿いに設定した建築物の一階部分の用途制限による店舗誘導など、成城のまちづくりに一定の効果を上げてきました。
一方で、計画策定から20年以上が経過する中、一階部分の用途制限がない既存商店が連なる区域では、マンションに建て替わり、商店の連続性が損なわれた箇所や商店のバリエーションが減ってきているなどの課題も徐々に現れてきております。
これらの課題に対し、平成27年に地元住民、自治会、商店街等を構成員とする成城まちづくり協議会が発足し検討が重ねられ、令和5年8月に街づくり条例第12条の規定に基づく地区街づくり計画の改正原案が区に提案されております。
区は、このまちづくり協議会の改正原案を尊重し、地区街づくり計画の変更に向け検討することとしまして、昨年度は成城自治会と共に駅前でまちづくりに関するアンケート調査や、成城大学の学生などと共に町歩きなどを行いました。また、今年度からは街づくりニュース創刊号を発行し、広く周知を図るとともに、キックオフイベントの実施など、変更検討の準備段階としてのまちづくりに着手したところでございます。
◆くろだ質疑
地区街づくり計画の変更に向けて、具体的に動き出したことが確認できました。このまちづくりというものは、地域に住む方、駅を利用する方、様々な区民に影響がありますが、まちづくり協議会、区のワークショップ、意見交換会等に参加するということは、一般的にはなかなか難しくハードルの高いことかと思います。
ただ、先日のイベントは通りがかった多くの方が気軽に立ち寄り、まちづくりについて自然に触れ、自治会の皆様といったまちづくりに主体的に取り組む方とお話しすることができる非常にいい機会だったと私は感じました。
これまでも、まちづくり協議会に参加されている皆様は、町に対する思いや熱意を持って地域で活動してくださっています。この皆様の活動、熱意がさらに多くの方に広がって、共感して参加する方が増えていくように、できる限り多くの区民に地区街づくり計画を知っていただく、そして意見をいただくことが必要だと考えます。区の情報発信や意見聴取などにさらなる工夫を加え、より多くの方がまちづくりに参加し、町全体がさらに盛り上がることを期待して、今後の成城学園前駅周辺のまちづくりについての区の見解を伺います。
◆砧総合支所街づくり課長の答弁
9月7日に行ったキックオフイベントは、成城の住民に関心が高い緑をテーマに、成城にすむ生き物展示やクラフトづくりといった子どもたちが楽しめる催しとともに、商店街が工夫しながらつくり出してきている町なかの緑への評価や地区街づくり計画、成城憲章の周知など、楽しみながらまちづくりに触れられるよう、成城自治会、成城大学などと連携し実施いたしました。
地区街づくり計画の変更検討に当たっては、今後、駅周辺の関係者による会議体の設置を予定しておりますが、広く意見を聴取するなど、多くの方々の参加を得ていくことも重要だと考えております。そのため、気軽にまちづくりに参加できるデジタルツールの活用や、今回実施したような駅周辺でのイベントに合わせた情報発信などを引き続き行っていき、まちづくりの関心を高めていきたいと考えております。また、成城大学の学生のアイデアなども取り入れた広報も検討していく予定でございます。
今年は成城の町が生まれてから百年目となります。次の百年を見据え、町のさらなる発展と成城の町に合ったにぎわいを形成できるよう、成城自治会、商店街、大学などとも連携し、地域住民の町への関心を高めながら、まちづくりに取り組んでまいります。
◆くろだ質疑
今御答弁いただいたとおり、成城の町は今年から成城100年祭が始まり、自治会の皆様を中心に、成城100年祭実行委員会が組織され、成城大学の学生や地域の皆様もボランティアとして加わり、7月にオープニングイベントが成城大学において盛大に行われました。町への関心がとても高まっている時期でもあります。ぜひ、町の皆様の取組を区としても後押しし、町の皆様とともに、より多くの方を巻き込んで、まちづくりを進めていただきたいと思います。
続きまして、道路整備に関して、都市計画道路補助125号線、喜多見駅前の道路について取り上げます。この道路については、平成7年に東京都により事業化され、以来長きにわたって事業が終わらない路線となっております。
喜多見駅を利用する多くの方が通行する道路ですが、歩道と車道が明確に分かれておらず、歩行者、車、自転車の通行、路上駐停車もあります。安全とは言い難い道路です。地元の皆様から様々御意見をいただくこともありますが、東京都が事業を進めている道路であるため、区として動くことがなかなか難しい道路だと聞いております。ただ、区民としては、事業が動いている気配はなかなか感じ取れず、早期完成を望む声が多くあるところです。
また、この補助125号線、駅付近の事業中区間の両側についても、第四次事業化計画において、東京都施行の優先整備路線に位置づけられておりますが、こちらも動きが見られず、優先とは何なのか首をかしげてしまいます。
区として、都に対して状況の確認と速やかな事業実施を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
◆道路計画課長の答弁
小田急線喜多見駅の東側を南北につながる都市計画道路補助第125号線につきましては、駅付近の約420メートルの区間につきまして、東京都が事業者となり、平成7年度より事業が着手しております。
用地取得率につきましては、令和6年4月1日現在で60%でございまして、取得済みの部分と未買収の部分が混在している状況でございます。引き続き、関係権利者の皆様に対して丁寧に説明し、御理解を得ながら進めていくと東京都より伺っているところでございます。
また、事業中区間を挟みまして南北の両側、世田谷通りまでの約230メートルの区間と狛江市境までの約330メートルにつきましては、第4次事業化計画におきまして、東京都が施行する優先整備路線に位置づけられておりますが、現時点では着手時期は未定だというふうに聞いてございます。当該区間につきましては、現道の幅員が約八メートルの商店街でございまして、歩行者空間が十分でない中で、駅に向かう多くの人が利用している状況でございます。
区といたしましては、補助第125号線の整備は、喜多見駅周辺のまちづくりにおきましても必要なものと認識しております。東京都に対しまして、事業中区間の早期完成と優先整備路線の早期着手について求めてまいります。
◆くろだ質疑
優先整備路線というのは、重要性であったり、必要性が高いものだから優先整備路線と位置づけられているということで、午前中も、これまでも答弁をいただいていたところだと思います。この優先整備路線が形骸化しないよう御対応をお願いしたいと思います。
また、補助第125号線の整備は、喜多見駅周辺のまちづくりにおいても必要なものと御答弁にもありましたが、安心安全な道路の整備とともに、まちづくりについても、地元の喜多見商店街や地域、町会、住民、近隣の学校など皆様の意見を様々聞いていただき、考えていただきたいと要望いたします。
以上で私の質疑は終わり、真鍋委員に代わります。
以上。
◆くろだ質疑
私がさきの本会議で行った一般質問に続いて、教員の働き方改革について伺ってまいります。
一般質問において、都補助を活用したエデュケーションアシスタントの導入や、既に導入しているスクールサポートスタッフ、副校長補佐の拡充を私から求め、区としても対応を検討していくとの答弁をいただいております。東京都教育委員会は、令和6年9月30日、来年度採用の公立学校教員採用候補者選考の結果について公表しています。受験者数8,570人のうち、選考合格者である名簿登載者は4,999人でした。最終倍率は1.7倍となり、昨年度の1.6倍よりごく僅かに改善が見られますが、二年連続で2倍を下回っています。35人学級や教科担任制の導入で、学校には教員を増やしていく必要がありますが、欠員の補充にも苦慮するというケースがある現状です。
また一方で、教員の働き方改革も叫ばれており、教員一人一人の負担を軽減させるには、業務負荷を分散させる必要がありますが、これまで述べているとおり、教員を増やす難易度は上がっています。先生でなくてもできる仕事は先生以外の職員が担うということで、教員免許を持たない人材も積極的に活用して学校への人的支援をしっかりと行っていただきたいと思いますが、一方で、学校内で働いている皆様の雇用形態は様々であり、教育委員会内でも各人材を担当する所管は複数にまたがっています。先般行っていた教員アンケートの中には、人が増えることはありがたいが、任用やもろもろの事務手続が増え、副校長業務を圧迫しているといったコメントがありました。
まず、教員以外の人材はどのように採用しているのか、運用の仕組みを伺います。
◆学校職員課長の答弁
現在、学校現場においては、教員の支援を目的としまして様々な職が設置されており、その職に教員以外の人材が配置されております。こうした職員につきましては、教育委員会の担当所管課がそれぞれの事業ごとに必要な人員を会計年度任用職員として職を定めて募集し、採用している職、そういったものが多くある一方で、有償ボランティアとして学校で人材を探して謝礼を支払っているものもございます。
◆くろだ質疑
教育委員会が、会計年度任用職員として採用する場合もあれば、各学校において有償ボランティアとして採用しているという場合もあると分かりました。有償ボランティアの場合は、募集や面接といった採用にまつわる対応、謝礼の支払いといった会計処理も学校側で担っているということになります。学校によって児童生徒の数、学級数なども異なり、必要な人員体制も学校ごとに異なるはずです。各学校においてどんな職種で何人入っているのか、どのように教員以外の人材を活用しているのか。当然、それぞれの職種で採用している教育委員会の各部署では担当している職種について把握できていると思いますが、教育委員会において、網羅的かつ正確に各学校の現状を把握することはできているのでしょうか。
◆学校職員課長の答弁
委員御指摘のとおり、学校現場における教員以外の会計年度任用職員や有償ボランティア等に関する任用、配置などその活用状況につきましては、各事業担当所管課が把握し運用しているのが現状でございます。このような状況の中で、今般お示しいたしました学校・教育委員会が実践する教育の質を高める働き方改革推進プラン骨子案を策定するに当たりまして、各課及び学校が配置している会計年度任用職員等について、学校現場における現状を確認しながら政策をまとめているところでございます。
また、副校長補佐やスクールサポートスタッフ、エデュケーションアシスタントなど、配置に当たって都の補助制度の活用が可能な職員についても、活用状況を確認しまして、今後の活用の方策について検討しているところでございます。
◆くろだ質疑
効果的な施策をまとめるには、まず学校現場の現状を正確に把握するところから始めなければならないのではと私は考えます。ただ、教育委員会としては、現場の状況把握には努めてくださっているようですが、網羅的に正確に状況を把握するというところには至っていないようです。
学校現場においては、人的支援を必要とする声が間違いなくあるかと思いますが、要望に応じて無限に人を投入するというのは難しいと思いますし、自校の状況だけを見て、どういった人員体制が適切なのか、判断することも困難なのではないでしょうか。教育委員会が音頭を取り、網羅的に人員体制を把握し、適正な配置、規模等を研究することで各学校内の人員体制を拡充しつつ整理していただきたいと思います。各学校に任せるばかりでは、副校長業務が圧迫されるといった声に象徴されるように、確実な負担軽減が実現できないのではと考えますが、教育委員会として今後はどう対応されますか、伺います。
◆学校職員課長の答弁
学校現場におきましては、副校長をはじめとする教員の事務負担が大きくなっており、特に副校長に関しましては、教員以外の職員に関する雇用や支払いに関連する事務や勤怠管理等、様々な事務が負担になっているものと認識をしております。こうした中、教育委員会では、今年度より昇任二年目までの副校長が配置されている学校において、副校長が担当する様々な事務を補佐する副校長補佐を配置するなど、人的支援の拡充を図っているところでございます。
今後、この副校長補佐の配置の拡充も視野に入れながら、教員以外の職員の勤務、任用等の状況や課題を把握した上で、必要に応じてその業務内容や事務手続の見直しを行うことにより、副校長の事務負担軽減に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
◆くろだ質疑
副校長補佐の配置拡充はぜひ積極的に、至急行っていただきたいところですが、足りないところへ後手後手で支援を行っている感が否めないのではと感じています。真に働き方改革へ有効な施策を行うならば、学校内の人員体制を整理して把握し、状況、課題を正確に捉え、対応していただきたいと思います。
ただ、世田谷区は区立小61校、区立中29校に、不登校特例校1校、学校数が多いために、各学校の把握自体が非常に大変な作業であるはずです。学校・教育委員会が実践する教育の質を高める働き方改革推進プラン骨子案で計画を示してくださっていますが、教育の質を高めるには、学校現場だけでなく、教育委員会においても働き方改革や適正な人員体制、配置の整備を行い、効果的な取組を効率よく行う必要があると考えます。引き続き、俯瞰的に世田谷区の教育環境を把握して対応を進めていただくべく、教育委員会の体制整備についても要望いたします。
また、教科担任制についても伺います。小学校高学年における教科担任制の導入は、①授業の質の向上、②小中学校の円滑な接続、③多面的な児童理解、④教師の負担軽減という効果を見込み、全国で各地域の実情を踏まえつつ取組が行われています。港区では昨年度より、小学校5年生、6年生を対象に教科担任制を区立小学校の全19校で導入しています。専門性の高い指導によって、児童一人一人の学びの幅を広げることができた、また、区独自で講師を任用することによって教員の負担軽減ができたと、成果が上がっているようです。
東京都も令和10年度までに、12学級以上の全小学校へ、小学校5、6年生の教科担任制を導入するという計画を示しています。この都の施策に連動し、世田谷区としては、今後モデル校において先行実施を行っていくという方針を伺いました。この先行実施の中で、どのようなことを行っていくのか、全校での教科担任制の導入に向けて、どのようなポイントを確認していくのかお伺いします。
◆教育指導課長の答弁
小学校教科担任制については、東京都が研究事業として、令和3年度より都内10校から配置を開始し、令和6年度は、区内でも下北沢小学校と上北沢小学校の2校において実施しております。区教育委員会では、現在の教員配置数では時間割の作成が困難である大規模校と、都事業の対象とならない11学級以下の小規模校において、来年度よりモデル事業を行い検証を行うこととしております。今後の予定ですが、令和8年度以降の都の配置方針が公表されていないことから、来年度から実施するモデル事業の検証を行いながら、都の動向も注視してまいります。
◆くろだ質疑
東京都の方針も公表されていない中での対応は難しい部分もあるかとは思いますが、大規模校、小規模校それぞれでモデル事業を行うとのことで、区として時間割作成や必要な教員数などの知見を積み重ね、教科担任制の導入に向けて対応を進めていただければと思います。また、港区と世田谷区では、区立小学校の数が全く異なりますが、港区においても38学級という大規模校もあり、時間割作成についてもある程度の知見を有しているのではと思います。ぜひ先行する自治体の事例も研究していただき、世田谷区での小学校教科担任制の全校導入に向けて取組を進めていただければと思います。
続いて、学校安全対策マニュアルの改定について伺います。
本件も私の先月の一般質問で取り上げまして、重症熱中症への有効で具体的な対策方法として国が示す水道水散布法に関して、改定中のマニュアルへ盛り込むことを検討してくださるとの答弁をいただいております。学校現場で生じている最新の危機事象への対応を反映し、内容の一層の充実を図るとのことですが、具体的にどのような改定を行っているのか、まず確認いたします。
◆教育総務課長
現行の学校安全対策マニュアルについてでございますけれども、平成24年3月の全体改定から10年以上が経過していることから、委員が今おっしゃったように、今年度マニュアル全体の見直し作業を進めてございます。
具体的には、この間、文部科学省が策定した学校の危機管理マニュアル作成の手引や学校の危機管理マニュアル等の評価・見直しガイドラインとの整合を図るほか、新型コロナウイルスなどの感染症対策、ICT環境の進展に伴う情報管理、その他学校現場で生じている新たな危機事象への対応を図るものでございます。また、改定後のマニュアルは全校共通のものでございますけれども、立地条件や周辺環境などそれぞれ学校ごとに異なるため、例えば河川の浸水想定区域内に立地する学校には当該校としての安全対策をマニュアルに追記するなど、学校個別の危機事象も包括する予定でございます。
現在、委員からさきに御提案いただきました熱中症への対応につきましては、救命救急・保健対策の作業部会で検討を進めてございます。また、そのほかに災害対策や、不審者・犯罪対策、教科別の事故対策といったテーマ別に七つの作業部会を立ち上げまして検討しておりますが、各作業部会の構成員でございます幼稚園長や小中学校長の意見を反映しながら、現場の先生方にとって使いやすく、かつ実践的なマニュアルとなるよう検討を進めてまいります。
◆くろだ質疑
改定内容をお伺いしまして、私の提案した熱中症対応についても検討を進めてくださっているとのことで大変ありがたいです。来年度からは改定されたマニュアルが各学校において共有されていくこととなりますが、さきの質疑でも触れたとおり、今もこれからも多様な職種、雇用形態の人材が学校内に入っています。この方々は一律で年度初めに投入されるわけではなく、年度途中で入られる方もいらっしゃいます。マニュアル改定後も適宜適切に、学校に関わる全ての方々へ周知が必要と考えますが、区の対応を伺います。
◆教育総務課長の答弁
委員お話しのとおり、学校には学校運営をサポートいたします多様な人材が配置されてございます。災害時など非常時には教職員とともに適切な行動を取ることが求められます。今回全体改定するマニュアルでございますが、電子データによる利用を基本といたしますが、個人用のパソコン等が支給されない職員以外の人材もいるほか、災害の規模や被災状況によりまして電子機器が使用できない事態も想定いたしまして、学校には印刷したマニュアルも配付する予定でございます。学校に対しましては、校長会などの機会を捉えまして、全ての教職員に対するマニュアルの周知と共通理解を図るよう促してまいります。また、学校安全に関する訓練等を実施した際には、しっかりとその結果を検証しまして、必要に応じてマニュアルに反映する仕組みなどを構築してまいります。
◆くろだ質疑
学校内の大人たちみんなで子どもたちの安全を守っていけるよう、ぜひマニュアル周知や理解を関係者全員へ広めていただけるよう、よろしくお願いいたします。
続いて、学校内での性被害に関して伺います。
今年5月、茅ケ崎市立小学校において、休み時間中に学校内の図書室で2年生の女子児童が6年生の男子児童数名から体を触られるなど性的な被害を受けるという事件がありました。茅ケ崎市教育委員会が定めたマニュアルでは、学校や教育委員会が児童の性的な被害を把握した場合、警察や児童相談所と連携することになっていたものの、本件については警察に連絡したのみで、児童相談所には相談していなかったそうです。
さらに、事件の後の6月に行われた学校行事にて、女子児童が男子児童と教室で鉢合わせになってしまったり、教員らが代読で、男子児童らの反省の言葉を女子児童に伝えるということを行っていたり、そもそも事前に保護者にその日程を知らせていなかったりするなど、不適切な対応が重なったという報道がありました。被害に遭った児童の気持ち、また、親御さんの気持ちを思うと、なぜこのような不適切な対応ができるのかと憤り胸が苦しくなります。
武蔵野市立小学校においても、高学年の男子児童が女子児童の着替えを、学校から配布されているタブレット端末を使って盗撮していたという報道がありました。被害に遭った児童にとって、誰にどこまで見られたのだろうかとか、本当に削除されたのか、流出してはいないのか、また盗撮されるのではないかといった不安はなかなか拭えないものだと思います。武蔵野市では、スクールカウンセラーの対応を行うなど、被害に遭った児童が安心して過ごせるように配慮したとのことです。
学校内での性被害が仮に起きてしまった場合、何よりも、まずは被害者を守るために適切な対応を取ってほしいと強く願いますが、仮に世田谷区で発生した場合、どのような対応が取られるのか伺います。
◆副参事の答弁
学校内で性被害が起こった際のマニュアル等はございませんが、タブレットの取扱いについては、児童生徒へタブレットを貸与する際に正しい利用の仕方についての確認書を配付し、家庭で確認署名の上、受領書を提出していただくとともに、子どもたちへの適切な指導及び被害予防のための環境整備等を行うよう学校に対し指導しているところです。
性被害は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、重大な人権問題です。仮に被害が起こってしまった場合には、教育指導課に設置している教育支援チームの弁護士や警察、児童相談所等と連携して適切に対応するとともに、被害を受けた児童生徒に対し、カウンセラーを派遣するなど被害児童生徒の心のケアを行う必要があります。引き続き、学校においては、学習指導要領をはじめ、文部科学省作成の生命の安全教育指導の手引き等に基づき、児童生徒が性に関する正しい知識を身につけ、命を大切にする考えや自分の大切さとともに、他人の大切さも認める態度を発達の段階に応じて身につけられるよう取組を行い、性被害の未然防止に努めてまいります。
◆くろだ質疑
学校内で性被害が起こった場合のマニュアル等がないとのことですが、さきに述べた茅ケ崎市教育委員会では、一応マニュアルは定めていたとのことですので、世田谷区においても、児童の性的被害を確認した場合の対応について、あらかじめ定めておくべきではないでしょうか。万が一、性被害が起こった場合、現状はどのような対応となるのでしょうか、お伺いいたします。
◆副参事の答弁
学校で事件事故等の問題が発生した際には、学校より教育指導課に報告相談が入ることになっております。先ほどもお伝えさせていただいたとおり、教育指導課には、学校だけで対応することが難しい事案についてその対応方法を検討し助言するための教育支援チームが設置されております。教育支援チームには、校長経験者や指導主事のほか、弁護士や心理士等の専門家もおりますので、それぞれの立場からの専門的な助言を生かして、一つ一つの事案について対応をしているところです。
性被害も含め事案の内容、背景等は個々に異なるため、基本的にはそれぞれに応じた対応となりますが、委員御指摘の対応マニュアル等につきましては、対応した事例が積み重なっていく中で、共通に示すことができるものがあるかどうかということも含めて今後検討してまいります。
◆くろだ質疑
現状も丁寧に対応いただいていることが分かりましたが、万が一に備え、マニュアル作成、ぜひ今御答弁いただいたように事例を積み重ね、確認していただきたいと思います。
また、学校内で児童生徒間での性被害が起こった場合、被害に遭った側の子ども、また、その親御さんの気持ちを思えば、加害者に対して厳罰を望む気持ちも生まれますが、加害した側もまた成長過程の子どもです。情報が広まることで加害者がいじめや誹謗中傷の対象になるといったことも懸念されるなど、非常に難しい対応を迫られると思います。
内閣府男女共同参画局は、男女共同参画基本計画の中で、リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する施策として、学校においては、児童生徒の発達段階に応じた性に関する科学的知識や生命尊重、人間尊重、男女平等の精神に基づく異性観、自ら考え判断する意思決定の能力を身につけ、望ましい行動を取れるようにするため、学校教育活動全体を通じて性教育の充実に努めると記載をしています。
しかし、学校教育活動の中で、今述べたような性教育が充実しているかというと疑問です。家庭での教育もまた不十分ではないかと感じます。性被害に遭う子どもをこれ以上増やさない、そして、性加害を起こす子どももこれ以上増やさないために、学校、そして家庭において、児童生徒の発達段階に応じた性教育が重要だと考えますが、区の見解を伺います。
◆副参事の答弁
近年の社会環境の変化や情報化社会の進展など、児童生徒を取り巻く状況が変化する中、性に関する指導や人権教育は非常に重要であると考えております。学校における性を含めた健康に関する指導は、学習指導要領をはじめ、文部科学省作成の生命の安全教育指導の手引きや、東京都教育委員会作成の性教育の手引等に基づいて、児童生徒が性に関する正しい知識を身につけ、適切な意思決定や行動選択ができるようにすることを目的として、保健体育科や特別活動をはじめ学校の教育活動全体を通じて指導を行っております。一方で、児童生徒の性に関する関心や理解、心身の発達の段階には個人差が大きく、児童生徒によっては十分な理解が図られていない状況があることも認識しております。
教育委員会としましては、今年度より実施している助産師や産婦人科医による出張リプロダクティブ・ヘルス/ライツ講座を通して、性や健康、命に対する生徒の関心や理解を深めるとともに、その成果や課題を研究し、発達段階に応じた、より効果的な内容や方法について検討してまいります。また、本講座をきっかけとした学校と保護者との情報共有や連携など、保護者の関心の向上や家庭での教育の充実に向けた取組についても、保健所と連携して検討してまいります。
◆くろだ質疑
産婦人科医などの専門家が、科学的知見に基づいて、性に関する正しい知識を子どもたちに伝えることは非常に大事だと、これまでも私からは申し上げておりました。ただ、現在行っている出張リプロダクティブ・ヘルス/ライツ講座は、中学生の生徒に向けたものです。先ほど他会派からも質疑がありましたが、小学校における性教育については、まだ充実した内容にはなっていないと考えます。
ただ、性に関する理解、関心、心身の発達段階が子どもによって異なるという答弁のとおり、小学校においてはより丁寧に、子どもたちの発達段階に合わせた内容、伝え方が重要だと考えます。産婦人科医などの専門家や保健所との連携によって、小学生に対しても科学的知見に基づいた取組を引き続き御検討いただきたいと思います。
また、保護者世代は、性教育といっても何を話していいのか分からない、恥ずかしいという方も多いと思います。昨今は家庭での性教育に関する書籍なども話題になっており、プライベートゾーンや、互いに触れ合うときの同意の取り方など、幼児期から子どもたちに分かる言葉で伝えていこうという御家庭は増えてきてはいますが、まだまだ意識の差があるようにも感じています。保護者との情報共有、連携はぜひ強化いただいて、各家庭での教育の充実に向けて施策を考えていただければと思います。
以上で私の質疑を終わり、宍戸三郎委員に交替いたします。
以上。