おはようございます。先月末、世田谷区の認可保育園一次申請において、1歳児クラスに申し込んだが入れなかったという嘆きがSNSで投稿、拡散されていました。区がまとめた令和6年4月認可保育園等の一次申込み状況では、1歳児非内定が1,041名、2歳児は前年比1.6倍増の12名、一方で、二次申請における入園可能数は1歳児47名、2歳児6名と、希望に比べ大幅に少ない状況でした。地域によっては既に全く空きがありません。非内定者の中には育休を継続する目的で一園のみ申込みし、非内定通知を受け取りたいという方もおられ、全ての方がお困りであるというわけではありませんが、悲痛な声も聞こえてきます。
一方、大規模な私立幼稚園が令和7年度の新入園児募集を停止し、令和9年3月の閉園を予定しているということが地域で話題となりました。就学前人口は減少しているものの、共働き家庭は増加、保育ニーズも増大しており、預かり時間の短い幼稚園の入園希望者は減り続けています。しかし、私立幼稚園の中では園独自の預かり保育を実施している園や、認定こども園として保育枠を設けている園もあります。3歳以上の子どもの預け先は保育園以外の選択肢が増えるため、認可保育園でも特に4、5歳クラスは空きがあります。
我が会派の代表質問でも指摘したとおり、保育の需要と供給のミスマッチが生じている状況です。この状況を踏まえ、保育を希望する方が希望するタイミングで安心して子どもを預けられる世の中にしていきたいという思いを込めて、世田谷区の保育について2点質問いたします。
一つ目、空きが多い認可保育園においては、3、4、5歳クラスも縮小して、特に4月に空きが少ない1、2歳クラスの定員増を区として補助し、促すことはできないでしょうか。二つ目、区の保育資源を網羅的に整理して、就学前の子どもたちの預け先を保護者に周知するなど、今ある保育園、幼稚園の全てを有効活用できないでしょうか。就学前人口の減少が見込まれる中、新しく施設をつくることが難しいのは理解しますが、今まさに困難に直面している区民、保育施設、私立幼稚園等に向き合っていただきたく、区の考えを伺います。
次に、病児保育室について伺います。
昨年末頃から子どもたちの間でインフルエンザ、新型コロナウイルス、また溶連菌など様々な感染症がはやっていると保護者同士でよく話し合っておりました。感染症でなくても発熱で保育園に預けられないという事態には、自分自身も何度も直面しております。そんなとき親が仕事を休めれば、もしくは祖父母など誰かを頼れればいいのですが、どうしても仕事に行かなければならない、誰にも頼ることができないという日もあります。病児・病後児保育室は、そんな保護者の支えとなっております。
ただし、利用するにはまず事前登録が必要です。子どもが発症したら預けたい施設へ病状や状況の説明をして予約、枠が埋まっていたらキャンセル待ち、病状が回復して通常登園可能となれば早朝の決められた時間までに予約のキャンセル、預ける前には医療機関の受診をして病児施設へ提出する書類を書いてもらう必要もあります。施設によっては、お昼のお弁当におやつや着替え、おむつなど様々な物を持参する必要があります。ふだんの生活とは異なる多くの手間がかかるのです。当然これらは体調が悪い子どものケアや仕事の調整等と並行して行うこととなります。
区内の病児・病後児保育室は全11か所、4施設はオンライン予約が可能ですが、7施設は電話受付のみです。時間や場所を問わず利用ができるオンライン予約システムは忙しい保護者にとって、とても便利です。全施設へオンライン予約システムを導入することは可能でしょうか。また、既に実施している四施設にヒアリングなどを行い、利用中のシステムを他施設に導入するといった方法を取れば早く実現ができるのではないでしょうか。さらに近隣に病児保育室がないという空白地帯がありますが、区は今後どう対応していくつもりでしょうか。
次に、隣接自治体との災害時の連携について伺います。
能登半島地震があり、地域を回るたびに様々な不安の声、災害対策に関する御意見を区民からいただきます。その中で区境の地域住民から、隣接自治体との連携が取れているのかどうか不安の声が上がりました。私の地元の喜多見においては、過去に狛江市と合同避難訓練を行い安心できた、という体験談も聞きました。昨年、他会派からも同様の質問があり、隣接自治体との協定についてはホームページなどで周知を進めているということですが、区としてさらに隣接自治体との連携を進めるためにできることはあるでしょうか。
合同での避難訓練実施の後押しなど様々考えられるかと思いますが、区民の不安を解消し、備えを万全にしておくための区の対応を伺います。
次に、スタートアップ支援について伺います。
昨年末、神戸市を会派で視察しました。取組の一つ、アーバンイノベーション神戸は、神戸市がスタートアップとともに社会課題の解決に向けて協働する施策です。協働開発や市民によるテスト利用、市役所業務の中での試行導入、実証実験などを行い、スタートアップの事業を実用化しています。
世田谷区においては、SETA COLOR、ネイバースクールSETAGAYA など、インキュベーション・アクセラレーションプログラムを実施し、大変好評と聞きました。ただ、SETA COLORで得られる補助金は最大150万円、一方、国や都、民間のベンチャーキャピタルが実施するアクセラレーションプログラムでは、より規模の大きな支援が行われています。現状では、大きなチャンスを求めるスタートアップが世田谷区を選ぶ理由は乏しいのではないかと感じました。
今の支援も、コミュニティーづくりや起業の第一歩として大事な施策ではありますが、世田谷区が区内事業者を大きく育てていく、世田谷区で大きく成長したいと願うスタートアップを増やすためには、基礎自治体だからこそやれる方法で事業の成長を後押しするような実効性のある支援も行っていくべきだという考えの下、二点伺います。
一つ目、実証実験のフィールドを用意する、区内で事業を行う場合の特例を認めるといったスタートアップの事業を実用化、軌道に乗せるような支援メニューを用意するべきではないでしょうか。
二つ目、起業を考える場合、登記住所やオフィスで困る場合があります。神奈川県が運営するベンチャー企業成長促進拠点SHINみなとみらいでは、拠点利用メンバーとなると無料で施設設備を利用でき、法人登記手続支援を受けられ、拠点住所での法人登記も可能ということで、スタートアップにとって実のある支援が行われています。区としても、こういった支援をできないでしょうか。
最後に、区内事業者を守る、後押しするという観点から、我が会派の代表質問でも伺いましたが、学校施設修繕業務の包括外部委託について質問します。
令和8年度からのこの計画に合わせ、点検保守業務の委託や学校以外の施設管理体制、手法にも同様の検討をしていくとのことです。これについて、区から説明を受けた地元企業の皆様からは、大手企業しか委託を受けられないのではないか、災害時など緊急対応はどう行うのかといった懸念の声が上がっています。
地域経済の発展、さらに学校施設の修繕という業務内容を考えれば、地元を知り尽くす区内事業者の協力は絶対に必要であり、地元業者へ仕事を発注する仕組みづくりは必須と考えます。また、学校施設修繕業務以外でも同様の外部委託を検討しているということであれば、地元企業を使う仕組みを作った後の実情に即した細かな対応が必要になっていくと考えますが、区のお考えを伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。
◆子ども・若者部長答弁
私からは、保育に関し五点御答弁いたします。
初めに、空きが多い3〜5歳児クラスを1、2歳児クラスの定員増に促せないかとの御質問についてです。
1、2歳児クラスの定員増につきましては、基準を満たす保育室の面積や配置する保育士数の確保を容易にできない施設が多く、対応可能な施設は決して多くない状況です。一方で、1、2歳児の入園希望は依然として多く、運営費も低年齢児ほど一人当たりの単価が大きくなることから、三から五歳児に空き定員があり、1、2歳児の基準を満たせる施設に対しては、1、2歳児の定員増を前向きに検討するよう促してまいります。今後、施設に対する柔軟な定員設定による1、2歳児定員の確保策を検討してまいります。
次に、区の保育支援を網羅的に整理して、保護者に周知するなど、今ある資源を有効活用できないかとの御質問についてです。
区は、これまで認可保育園の入園選考で非内定となった世帯に対し、認証保育所等や幼児教育・保育の無償化といった保育施設に関する御案内を中心に行ってまいりました。幼稚園につきましてはこれまで御案内しておりませんでしたが、3歳児クラスを非内定となってしまった世帯にとっては、保育園同等の預かり保育を実施している幼稚園の情報も重要なものであり、併せて御案内することで選択肢の幅が広がるものと認識しております。
今後、幼稚園を含めた御案内の通知を行うとともに、区のホームページに掲載の保育施設に関する情報や幼稚園の園児募集状況のページを紹介するなど、様々な周知方法を取り入れてまいります。
次に、病児保育施設について、全施設へのオンライン予約システム導入は可能かについてです。
病児・病後児保育事業実施施設では、病気やけが等で集団保育が困難な時期に専用施設で一時的にお預かりをしているため、様々な感染症のお子さんを感染拡大防止に努めながらお預かりする性質上、予約時にお子さんの病状等を収集した上で、受入れの可否について判断をしております。
既にオンライン予約を活用している4施設については、いずれも医療機関併設型であり、他の施設に比べ、インターネットの情報からでも医師がいることで受入れの可否や体制の判断がしやすい環境にあると承知しております。オンライン予約を利用していない施設につきましては、病気のお子さんを安全に保育するために、お子さんの体調、保護者の仕事の状況等を電話で聞き取り、感染症の種類や病状により保育室を分ける等の対応を行うなど、単に定員上の空きがあっても受け入れられない場合もあることから、オンライン予約システムの導入には運用上の課題があるところです。
次に、病児保育施設について、既にオンライン予約を実施している施設へヒアリングを行い、利用中のシステムを他施設に導入するなど早期の実現ができないかとの御質問についてです。
これまでにオンライン予約システムの導入についてアンケート調査を行い、区がシステムを導入した場合の利用意向を確認しましたが、オンライン予約を導入していない七施設のうち、利用の意向は2施設にとどまっております。既に予約システムを導入しております施設におきましては、それぞれが異なるシステムを活用していることから、区がシステムを導入した場合でも現在のシステムを継続したいという意向も複数ございました。
東京都の財政支援の要件は、区が全施設に利用可能なシステムの導入となっており、全ての施設に予約システムを導入するためには、運用上の課題も含め施設ごとの課題の整理が必要であり、現時点では容易ではないと認識しております。こうした課題の整理には時間を要する一方、保護者の利便性向上も踏まえ、引き続き課題の整理や導入可能性を探ってまいります。
最後に、病児保育施設の空白地域への対応についてです。
区には病児・病後児保育事業の開設を検討する事業者からの相談はございますが、いずれも充足している地域での相談であり、空白地域での相談実績は現時点ではなかなかない状況でございます。現行の子ども・子育て支援事業計画では、新たな病児・病後児保育施設の整備計画は示しておりませんが、区内の企業主導型保育施設において病児保育を実施している施設もあり、これら区内の利用ニーズや実績、配置状況等を踏まえ、病児・病後児保育室事業の施設整備の必要性等について総合的に検討してまいります。
以上です。
◆危機管理部長答弁
私からは、災害対策に関して隣接自治体との連携について御答弁申し上げます。
区では、大規模災害が発生した場合に、区境周辺の方々が隣接自治体へ避難することがよりよい選択となるケースもあることから、隣接自治体と相互応援協定を結び、各自治体の住民が相互に避難所を利用できるようにしています。現在、御理解が得られた隣接自治体から避難所は相互利用できる旨、ホームページ等で周知を図っており、今後、隣接六自治体全てで同様の取組を展開していく予定です。
議員お話しのとおり、区民と隣接自治体の住民が合同で避難訓練を実施した先進事例を区内の他の地域にも広めていくことは、いつ起きるか分からない大規模災害の備えになると認識しております。
区といたしましては、避難所運営組織の相互理解を醸成するため、例えば区民防災会議において合同避難訓練の事例を紹介し、他の地域でも取り組んでいただけるよう促すなど、引き続き隣接自治体との連携強化に向けて取り組んでまいります。
私からは以上です。
◆経済産業部長答弁
スタートアップ支援について、二点御答弁申し上げます。
まず、支援メニューについて御答弁申し上げます。
スタートアップ支援やインキュベーション施設の運営に当たっては、各種プログラムの提供等に加え、お話しの実証フィールドでの実験や試行機会の提供も重要な要素の一つであると認識してございます。
旧池尻中学校跡地施設を活用した新たな産業活性化拠点においては、校庭部分を活用して、事業者やスタートアップ、個人事業主などの社会実験や実証フィールド、または試行活動の場として活用していくことを想定してございます。加えまして、校舎棟では一画にチャレンジショップ区画を整備したり、テストマーケティングもできる場とするなど、環境整備を進めてまいります。
新拠点での取組のみならず、現在実施している地域連携型ハンズオン支援事業、インキュベーションプログラムの取組や、国や都の提供するサポートなども活用して、区内で成長しようとする事業者やスタートアップをしっかりと後押しできるよう、環境整備と施策メニューの充実を図ってまいります。
続きまして、法人登記の支援などスタートアップにとって実のある支援について御答弁申し上げます。
新たな産業活性化拠点では、校舎棟二階に事業者や多様な個人の働く場となるコ・ワーキング・エリアを整備するとともに、三階にはスモールオフィスエリアを整備予定であり、三階はもとより、二階コ・ワーキング・エリアにおいても、本店所在地として法人登記ができる場としていくことを予定してございます。
区内事業者や個人事業主、スタートアップやこれから創業しようとする個人が、この地を拠点として新たな事業を立ち上げ、連携や共創、成長を促していける場となるよう、環境整備に加え、支援プログラムの提供や連携を促す専門人材の配置など、後押しとなる取組をしっかりと実施してまいります。
以上です。
◆政策経営部長答弁
私からは、学校施設修繕業務の包括外部委託についてお答えいたします。
今般お示ししました公共施設等総合管理計画一部改定第二期において、御指摘の包括管理業務委託については、令和八年度からの実施に向けて体制を整えてまいります。維持管理業務においては、区内地域経済の循環や活性化、また、区民の安全安心の確保と災害時の早期復旧という観点からも、区内施設を熟知した事業者が関わることが必要であり、その意味で、区内事業者の協力が不可欠であると認識しております。
また、維持管理だけではなく、床面積では全公共施設の三分の一の改築等も計画的に行う必要があることから、人材をはじめとした体制の確保が急務であります。先行自治体では、まさに御指摘いただきました視点から具体的な仕様書の中に、地元事業者のこれまでの実績等を記載し、点検や修繕等を委託前と同様に行う仕組みを整え、委託後も地元事業者を活用している事例がございます。今後、区内事業者に対して丁寧な説明、相談等を開始し、オール世田谷として取り組むことのできる体制を整えてまいります。
以上でございます。
◆答弁受けての再質問
再質問します。本定例会では、私以外にも、我が会派の代表質問をはじめ、認可保育所1、2歳児クラスの入園が厳しい状況について声が上がっています。これに対し、空きのあるゼロ歳児定員を足りない2歳児枠へ振り替える対策を講ずると答弁がありました。しかし、ゼロ歳児枠は、年度当初は空いていたとしても徐々に埋まり、年度後半では空きがゼロになっています。昨年、認可外保育施設で4か月児が亡くなった件も、認可保育所に内定せずに入れなかったケースでした。ゼロ歳児の保育ニーズがある中で、ゼロ歳児定員を減らすと需給のミスマッチは解消できないのではないかと考えて、私からは幼稚園も含めて預かりの余地がある3歳以上の定員振替について質問したのですが、この点、区としてはどう考えているのでしょうか。
◆子ども・若者部長答弁
保育に関し、再質問に御答弁いたします。
さきの代表質問で御答弁しましたとおり、区では4月入園に向け、入園の厳しい1・2歳児の定員振替策を検討しているところです。ゼロ歳児は、子ども一人に対する保育士の配置が手厚いことから、定員振替への効果が他の年齢より見込みやすいということがあります。一方、年度途中から認可保育園の入園を希望されるお子さんの受入れが困難であるという課題もございます。区としましては、まずは待機児童の厳しい四月入園に向け、ゼロ歳児の定員振替や三から五歳児に欠員のある施設の柔軟な定員設定などの対策をしっかりと進めるとともに、四月入園後の各園の充足状況等を踏まえ、年度途中入園希望に対する定員確保策等について、今後具体的な検討を進めてまいります。
以上です。
◆答弁受けての意見
認可保育園の需要に応えようと現場が対応してくれているのは理解しますが、多様な他者との関わり事業でのゼロ歳児空き枠活用のことも併せて考えると、区の取組は区長をはじめトップのビジョンがなく、場当たり的だと感じています。委員会や予特などでも質問します。
以上。
先日、能登半島地震での被災地の状況、被災者支援、震災復興について、馳浩石川県知事や災害支援を専門的に行う公益社団法人代表理事からお話を伺いました。知事はデジタル活用について何度も言及されており、デジタルを活用した情報の収集、管理と現地の視察とを併せ、よりよい選択を行えるようになったというお話に災害対応現場の進化を感じました。
しかし、一方で、女性ばかりが炊き出し等の準備をしているといった話が話題に上るなど、女性視点での防災・減災の取組が全国的にはまだ足りていないのではないかと感じます。世田谷区の現状や今後の取組について、三点、質問します。
まず一点目、災害対策に関わる区の部署における管理監督者の女性の割合を伺います。
全国の行政・防災担当部署のうち、約6割の市区町村で女性職員が配置されておらず、避難所運営などで女性の視点が十分に反映されていない自治体があるようです。女性が管理監督権限のある役職に就くことで、女性の視点が反映された取組の推進が期待されます。また、管理監督者が女性でなくとも、配下の女性や多様なバックグラウンドを持つ職員の意見を取り入れることが重要です。区の現状を伺います。
また、二点目、避難所での性被害を防ぐための取組は十分か、お伺いします。
災害支援に入られた方より、能登において避難所での性被害が実際に起こっていると聞きました。被害に遭っても表には出せず、報道もされないようですが、非常に無念です。このような被害を防ぐために、女性専用、あるいは子連れ家族専用など、避難所開設時から配慮が必要な方専用のエリアをつくることや被害を防ぐための啓発ポスターをこれも避難所開設時から目につく場所に提示すること。また、複数名での見回り体制を整備することなど、様々な取組が考えられています。世田谷区ではどこまで計画されているのか、お伺いします。
そして、三点目、被災後の性被害を防ぐには、大人だけでなく、子どもたちへの平時からの教育、指導が必要だと考えます。様々な形でふだんから防災教育は行っていると思いますが、子どもたちへの注意喚起を平時から行うことは可能でしょうか、お伺いします。
次に、災害時の子どもの居場所について、二点、お伺いします。
一点目は、区立小中学校の再開について、能登半島地震の影響で休校となった石川県内の小中学校は、早ければ1月11日から、そして、震災から1か月ほどたった2月6日には全校が再開しました。学校が被災し壊れている、避難所として使われているために高校の校舎を借りての再開、集団避難先での再開など、各学校の状況に応じた対応が取られていました。世田谷区も、災害時、区立小中学校は避難所として利用するため、学校教育は停止します。子どもたちの日常を取り戻すために学校再開は非常に重要ですが、災害の程度によっては再開までに時間を要する可能性があります。子どもたちの学びを止めないために、区はどのように教育を再開していくのでしょうか。
また、タブレット配備やオンライン授業などが進んだ昨今の状況、直近の能登の状況を踏まえ、今後、計画の見直しなどを行うのか、お伺いします。
二点目は、この間、他会派からも質問がありましたが、子どもたちの遊び場について伺います。
発災直後は、まず、命を守ることが何よりも重要です。身の安全を確保した後は、様々な復旧活動、生活再建などを行っていくことが重要で、優先されるべきことです。ただ、被災後の非常事態の中で子どもたちが置き去りになってしまうことも同時に避けなければなりません。
能登では避難所で子どもの遊び場を開設するといった取組が多く見られました。世田谷区の場合、発災後、しばらくは児童館などの子ども対応に知見や経験のある職員も含めて、全職員が非常配備態勢に組み込まれるとのことです。子どもたちの遊び場を開設する、児童館を早期に再開するといった計画は、災害対策課など各所と連携してつくる必要があると考えます。計画策定に向けた現在の動きや今後の取組を伺います。
次に、GIGAスクール構想について伺います。
令和元年からのGIGAスクール構想第一期においては、コロナ禍でICT環境が全国的に急速に整いました。令和六年度からの第二期では、第一期での課題に対応し、より一層この環境を活用していく必要があると考えます。区議会においても、子どもたちのタブレットの使い方などこれまで議論がありましたが、区におけるGIGAスクール構想第一期の成果、そして第二期開始に当たっての直近の課題や取組についてお伺いします。
次に、農福連携事業について伺います。
本事業は、障害者の就労の場の提供や工賃向上などを目的としています。一方、区内に教育的アプローチで農福連携事業に取り組む団体があり、先日視察に伺いました。視察では、農作業前の座学と畑での作業を拝見し、生き生きと過ごす受講者の様子が印象的でした。この事業者は、農作業前後の認知・身体機能の変化を数値で測定し、成果を上げておられ、ノウフク・アワード2023を受賞されています。こういった定量的な効果測定の取組はすばらしく、目指すゴールが区とは違うため、そのまま参考にすることは難しいとは思うのですが、区の事業においても定量的な効果測定が必要だと感じました。本事業は、令和3年度開始の新しい事業ですが、目的の達成に向け、達成率をはかるための指標、効果測定の方法があるのか、今後どのように成果を示していく考えなのか、お伺いします。
最後に、HPVワクチン接種の促進について伺います。
先日、世田谷区医師会主催、区が共催をしている区民のための健康教室に伺い、産婦人科医の稲葉可奈子先生から「小6〜26歳の女性必見 HPVワクチンの話」を伺いました。このワクチンの重要性、安全性をこれまで多数の患者さんと向き合っている産婦人科医師から、医学的に正しい知識を教えていただける非常に有意義な教室でした。子宮頸がん対策としては、HPVワクチンの予防接種と併せ、子宮頸がん検診が非常に重要ですが、ワクチンは必要ない、検診のみ行えばいいという意見をたまに耳にします。しかし、検診はがんやがんの前段階である異形成を見つけるのみで、ワクチンのように異形成を防ぐことはできません。異形成を治す方法はなく、見つかると経過観察として産婦人科への定期的な通院が必要となります。がんになるかもしれないと不安を抱えながら日常生活を送り、数か月に一度、内診台で検査をする。この精神的、肉体的負担は大きいと先生はおっしゃっていました。
また、検診で見つかったがんや前がん病変への対応として、子宮頸部を切り取る手術は早産リスクが1.5から3倍にもなります。子宮全摘となる場合もあり、以降の妊娠、出産ができなくなる方、リンパ浮腫や排尿障害などの後遺症で苦しむ方も多くいらっしゃいます。日本では年間約一万人が子宮頸がんと診断され、毎年3,000人弱亡くなっていますが、この数字以上に苦しんでいる女性が多くいるということです。
ワクチンは危険だと殊さらに強調する方もいらっしゃいますが、安全性は様々な研究で証明されており、過去にHPVワクチン接種後の副反応ではないかと扇動的な報道をされた多様な症状も、結局ワクチンとの因果関係は証明されていません。イギリスでは、2008年から12歳、13歳の女性に学校での集団接種を始め、接種率は80%を超え、現在二十代後半の女性の子宮頸がんや前がん病変が激減しています。男性への接種も2019年に開始、2040年の子宮頸がん撲滅を目標としています。
世田谷区では、令和6年度補正予算において、都補助を活用したHPVワクチン任意接種の男性への全額補助事業が示されました。また、本年度は、キャッチアップ接種の助成が終了しますが、厚労省からも各自治体へ、対象者や保護者への周知、広報を含め、円滑な接種実施のために必要な対策を講じるよう通達が出ています。HPVワクチンの接種向上に向けて、区としても促進のための対応を取る必要があると考えます。HPVワクチンキャッチアップ接種について、未接種の場合は九月頃までに接種を始めないと、三回分を年度内に打ち終えられない可能性があります。対象者へ丁寧な周知を行うことは可能でしょうか。
以上で壇上からの質問を終わります。
◆総務部長答弁
私からは、災害対策に関わる区の部署における管理監督者の女性比率について御答弁申し上げます。
令和6年4月現在、平時の災害対策に関わる総合支所地域振興課や災害対策課の管理監督者に占める女性の比率は21.7%、係長級以下では43.2%、全体では34.6%となっております。
なお、災害が発生した場合や発生するおそれが生じた場合には、全ての区職員が災害応急対策の業務に従事するため、あらかじめ指定された本庁災対各部や災対地域本部、拠点隊において対応に当たることになっております。平時の組織においては、職員全体として現在でも一定程度女性職員が配置されていることから、多様性に配慮した女性の視点を取り入れることのできる環境ではあります。
今後についても、御指摘の点も意識しながら、女性の視点を取り入れている地域防災計画の着実な推進に向けて、性別や年齢、性的マイノリティーの方、障害の有無など、より多様な視点を取り入れていけるよう職員配置について検討してまいります。
◆危機管理部長答弁
私からは、避難所での性被害を防ぐための取組について御答弁いたします。
区では、避難所の開設、運営を担う避難所運営委員会が地域や学校等の実情に合わせて独自のマニュアルを作成する際の参考としていただくため、避難所運営マニュアルを発行しております。昨年度、区は避難所運営マニュアルの見直しを行い、既存の標準版に加え、その詳細や説明し切れない事項を記載した解説版を発行いたしました。この解説版の中では性犯罪を防ぐための取組についても明文化し、トイレ、物干し場の配置の工夫や啓発ポスターの例示、備蓄してある防犯ブザーの貸出し等について具体的にお示ししています。こうした性犯罪を防ぐための取組を避難所運営委員会に浸透させるとともに、避難所運営マニュアルは定期的に見直しを行っていることから、議員御提案の内容についても検討し、さらなる改善を図ってまいります。
私からは以上です。
◆学校教育部長答弁
私からは、平時から被災後の性被害を防ぐための取組について御答弁いたします。
今年度、教育委員会では、危機管理部と連携いたしまして、世田谷避難所運営講座を区内中学校四校で実施する予定でございます。この講座では、避難所での生活について想像し、具体的なイメージを持つことを目的とし、HUGと呼ばれるゲーム形式のワークショップを行い、生徒自らが話し合って避難所の運営について考えてまいります。特に講座の企画にはせたがや女性防災コーディネーターが関わっており、高齢者、乳幼児など様々な視点の一つとして、女性の視点での避難所運営についても考える内容となっております。
さらに、各学校では毎月の安全指導日や生命の安全教育、リプロダクティブ・ヘルス/ライツでの指導等において、子どもたちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないための教育を様々な角度から行っております。
今後も被災の有無や性別にかかわらず、子どもたちが自らの安全を守るとともに、災害時における注意喚起となるよう平時より取り組んでまいります。
以上でございます。
◆教育政策・生涯学習部長の答弁
私からは、避難所となった後の教育の再開などについて御答弁を申し上げます。
世田谷区地域防災計画では、教育活動再開場所の選定、確保や学用品等の調達、支給、そして、給食の再開準備、臨時の学級編制や授業形態の工夫などにより、災害の状況に応じた教育活動の早期再開を目指すこととしております。教育委員会では、大規模災害が発生した場合に、通常の教育活動が困難な状況下におきましても、教育の中断、機能低下を最小限とし、各校が掲げる教育目標に基づき、児童生徒の健全育成を達成するため、平成27年4月、世田谷区立小・中学校応急教育計画を策定し、区立小中学校全校に周知しております。本計画は災害の規模により様々な状況が想定されることから、教育活動を再開するに当たり、特に考慮すべき事項を整理したもので、各学校が被害状況を踏まえ、災対教育部となる教育委員会事務局をはじめ、他の災対各部と情報共有を図りながら、それぞれの実情に応じた応急教育を実施するとしております。
直近の能登半島地震、また、この間の震災などから得た教訓も踏まえまして、避難所運営を担う地域住民に対する応急教育への理解と協力を得るための取組や必要に応じた応急教育計画の見直しなど、引き続き関係所管とも連携しながら、災害発生後の教育活動の早期再開を目指してまいります。
以上でございます。
◆子ども・若者部長の答弁
私からは、被災後の子どもたちの遊び場の確保について御答弁いたします。
災害時においては、保護者が子どもの世話から一時的に離れて生活再建に向けた時間を確保することや不安や傷つきを抱える子どもたちの心の早期ケアの観点から、子どもの遊び場や居場所の確保が重要であると認識しております。今年三月下旬には、区として被災地である石川県七尾市に、子どもの居場所支援や遊びの提供に従事するため、児童館職員一名を派遣し、子どもたちの傷つきや遊びを通じた心のケアの重要性などを確認してまいりました。昨年度行った子どもの居場所づくりに関する検討会でも、子どもの居場所や遊びの重要性の理解促進、児童館運営の強化のほか、災害時の子どもの居場所についても提言をいただいたところです。
こうした経験や提言を踏まえ、区としては、災害発生後の子どもの遊び場や居場所の確保において、児童館や新BOP、その職員が重要な役割を担うものと考えており、両施設が早期に再開できるよう、関係所管と連携をして検討を進めてまいります。
以上です。
◆教育総合センター長の答弁
私からは、GIGAスクール構想の成果と今後の課題について御答弁いたします。
令和二年度の学習者用タブレット端末の児童生徒、教員への一人一台配備、校内高速Wi―Fiを整備し、GIGAスクールとしての学習環境を整え、新型コロナウイルス禍でも安心して学ぶことができたことを評価する声を多くいただいております。また、様々なアプリケーションを活用し、個別最適な学びや協働的な学びを実践することで、せたがや探究的な学びを実践してまいりました。
一方で、児童生徒が複数のIDやパスワードを入力しなければならないことや教員のICT活用指導力を向上させること、端末の経年使用による劣化が課題となっております。GIGAスクール構想第二期に当たり、世田谷区教育の情報化推進計画に基づき、各種アカウント連携や校務支援システムを活用したデータ統合等の環境整備、教員向けICT活用研修の充実及び円滑な端末リプレースの実施を行ってまいります。
以上です。
◆障害福祉部長の答弁
私からは、農福連携事業の成果をどのように示すかについて御答弁いたします。
農福連携事業は、区内の農地保全と障害のある方の就労促進、工賃向上を目的として令和3年度に開始し、これまでに区内障害者施設を利用している方や近隣の小中学校特別支援学級の生徒を対象とした農作業体験会や区内障害者施設への作業発注などを実施しています。御指摘のとおり、本事業を発展、拡充していくためには、数値で事業の成果を客観的に評価することが必要であり、例えば工賃向上につながる指標としては施設への作業発注金額が、就労促進としては障害のある方の雇用数や定着率などが考えられます。
本事業を開始してまだ年数が浅く、実績を上げるためには、今後、様々な工夫が必要と考えており、現在の農園を拠点として、農家の方と連携した新たな農福連携の展開を検討するなど、目に見える形で成果をお示しできるよう取り組んでまいります。
以上です。
◆世田谷保健所副所長の答弁
私からは、HPVワクチン接種の対象者への丁寧な周知について御答弁いたします。
HPVワクチンのキャッチアップ接種については、高校2年生相当の方から平成9年度生まれの女性を対象として実施しておりますが、接種期限が令和7年3月末までとなっているため、区としてもさらなる周知が必要だと考えております。これまで区は、対象者への個別勧奨を実施するとともに、区内大学とも連携し、周知啓発を行ってまいりました。また、7月にはキャッチアップ接種対象者及び定期接種の最終学年である高校1年生相当の女性のうち、3回の接種を終えていない方に通知を発送する予定です。
今後の周知につきましては、接種を希望される方が公費接種の機会を逃がさないよう、ワクチン接種の効果及び副反応に加え、接種期限につきまして、区のホームページやSNS等を活用し、周知を行ってまいります。
私からは以上です。
◆答弁を受けての再質問
被災後の子どもたちの遊び場について、児童館など早期に再開できるよう、関係所管と連携して検討すると答弁がありました。この連携について再質問いたします。
例えば神戸市災害受援計画では、支援を要する業務や受入れ体制を事前に計画しているとのことでした。他自治体、関係団体からの支援を受けることができれば、遊び場の確保をさらに早期に実現することができるのではないでしょうか。世田谷区も東京都の人的応援要請、受入れの枠組みや対口支援の枠組みなどがあるかとは思いますが、子どもたちへの対応に専門性を持った人員を確保するということは検討されているか、お伺いします。
◆子ども・若者部長の答弁
再質問にお答えいたします。
確実に人手不足が予測される被災地に子どもの遊び場や居場所を確保していくためには、区の体制だけではなく、他自治体や関係団体からの協力を仰ぐことも重要であると認識しております。能登半島地震においては、一般社団法人児童健全育成推進財団が被災自治体からの要請に応えて、全国からボランティアを募る窓口となり、派遣の仕組みを整え、子どもの居場所支援に取り組んでおり、区も当該支援の枠組みの中で児童館職員の派遣を実施いたしました。
こうした取組を踏まえ、対口支援方式、全国市長会などを通じての支援要請を検討するとともに、全国組織の関係団体や区内の活動団体等との連携を図りながら、被災後の子どもの遊び場や居場所の確保についての検討を進めてまいります。
以上です。
◆再答弁受けての意見
様々な被害からの受援も含めた災害時の計画を、遊び場に限らず、各所管で立てていただきたいと思います。また、さらに、農福連携で取り上げましたが、定量的な効果測定は区の行う各事業で必要だと思います。せっかくのよい取組、胸を張って成果を示せるよう考えていただきたいと皆様に要望して、私の質問を終わります。
以上。
今年4月、娘が小学校に入学しました。私も小学生の親となり、小1の壁に直面しながらも何とか乗り越えようとしているところですが、まず初めに、学校への人的支援について質問いたします。
1学期の学校公開にて、入学したばかりの小学校1年生の様子を拝見しました。学校生活に慣れていない1年生たちは、教科書がない、教科書のどこを読んでいるか分からない、赤鉛筆がない、お道具箱をひっくり返したなど、1時間の授業の間中、様々なトラブルを訴えていました。一方で、指示をしっかりと聞き、さっと教科書の正しいページを開いて待っている子もいます。担任の先生は、うまくトラブルに対処しながら、滞りなく授業を進めていらっしゃいました。改めて、35人学級を1人で担任する教員の負担の大きさを痛感しました。
先生じゃなくても、誰か大人がもう一人教室にいて、先生をサポートできたら状況が改善するのではと調べてみたところ、東京都が学校の働き方改革推進のため、エデュケーション・アシスタントという小学校低学年向けの副担任相当の外部人材配置へ、本年度は都内1,268校規模の予算をつけて補助を行っていました。これは外部人材の報酬等を国、都で全額負担する事業であり、もし世田谷区で導入する場合、区の費用負担割合はゼロです。しかし、このエデュケーション・アシスタントを現在、世田谷区は導入しておりません。
学校の先生や小学生の保護者に様々ヒアリングを行いましたが、学校包括支援員、学校生活サポーターといった、既に導入されている、教員免許を持たない外部人材の方々に助けてもらっている、本当にありがたいという声をいただいております。学校現場への人的支援を今よりもっとさらに加速して行っていただきたいという思いから、区の対応、見解について三点お伺いします。
まず一点目、都補助を活用しようと思えばできるのに、現在エデュケーション・アシスタントを入れていないのはなぜでしょうか。
二点目、今後、区立小学校にエデュケーション・アシスタントを導入することは可能でしょうか。
三点目、エデュケーション・アシスタント以外の職種でも、外部人材活用については東京都の補助事業があります。例えば、学校内の管理で今特に負担が集中している副校長を補佐する人材確保には、本年度、1,353校規模の予算、教材作成等の事務作業を担うスクール・サポート・スタッフの確保には、本年度、2,075校規模の予算があります。
区は、スクール・サポート・スタッフをこの補助を使って全校に配置しておりまして、30学級以上の大規模小学校と学びの多様化学校分教室ねいろでは2人目の配置を行っているとのことです。また、都補助を活用した副校長補佐は4校で導入済みとのことでした。
しかし、まだまだ学校現場からは人手が欲しいというニーズがあります。使える都補助をさらに有効に広く活用して、各学校への人的支援を早急に充実させていくべきです。区の考えを伺います。
次に、区立小中学校における熱中症対策について。
本年も大変暑い日が続き、熱中症予防の呼びかけを頻繁に目にする日々でした。区立小中学校では、熱中症にならないために入念な予防策を取っているかと思いますが、万が一熱中症が発生した場合の対応を改めて確認し、来年の猛暑に備えたく、四点伺います。
一点目、熱中症が疑われる場合、まずは体を冷やすことが重要であるということは広く知られていると思います。ただ、水も飲めずにぐったりしている、意識障害が疑われるという場合、一刻も早く体を冷やすために、学校現場においてどのような方法が効果的なのか、皆様は御存じでしょうか。
ここで資料を御覧ください。こちらは日本スポーツ協会のホームページのスクリーンショットです。ここで紹介されている身体冷却方法の中で、水道につないだホースで全身に水をかけ続ける水道水散布法は、学校現場において医療者が不在でも実施できる冷却効果の高い手法として推奨されています。
この水道水散布法は、環境省、文科省、厚労省などの国からの発信の中でも紹介されております。これを受けて、横浜市などほかの自治体でも公立学校の熱中症対策マニュアルなどに取り入れる動きがあります。世田谷区でも、区立小中学校の危機管理マニュアルとして全校に配られている学校安全対策マニュアルへ記載を入れるなど、対応できないでしょうか。
二点目、重症熱中症発生時に水道水散布法で速やかに身体冷却を行うとしても、各学校において事前に確認しておくべきことが三つあります。一つ、学校内のどこで水道水散布が行えるのか、二つ目、ホースはどこにあってどこからつなぐのか、長さは十分なのか、三つ目、水道水散布を行うことができる場所までどうやって意識障害のある児童生徒を運ぶかということです。ただ単純に学校安全対策マニュアルに水道水散布法に関する記載を入れるだけでは、いざというとき即座に身体冷却を行えない可能性があります。各学校に対して、実際に水道水散布法を行う場合の対応について確認を求めることは可能でしょうか。
三点目、緊急時とはいえ、全身に衣類の上からホースで水をかけ続けるという対応は、心理的ハードルが高く、実行しにくい可能性があります。万が一熱中症で重症が疑われる場合には水をかけますとあらかじめ保護者や児童生徒にもお便り等で周知するなど、いざというときにちゅうちょしない環境を整えることは可能でしょうか。
四点目、私からこれまで申し上げた対応について、教育委員会がこれを行うだけではなく、学校に関係する現場へも同じ情報を周知すべきです。特に夏休み中は新BOP学童クラブへ多くの子どもたちが通います。あまりにも暑い日が続くため、屋外での活動は少なく、運動するにしても体育館でという場合も多いかとは思いますが、熱中症が起こる可能性がないとは言い切れません。新BOP学童クラブでも水道水散布法を取り入れるべきと考えますが、区の見解を伺います。
最後に、ハザードマップの周知徹底について伺います。
8月に自由民主党世田谷区議団で北陸地方へ視察に伺いました。その中の石川県小松市、金沢市の視察において、能登半島地震の際、津波警報で大勢の市民が避難を開始したため道路の大渋滞が起こったが、実際に避難が必要だったのは海岸沿いの限られたエリアであり、津波ハザードマップの周知徹底をしておけばここまで混乱は起こらなかったという話を伺いました。
世田谷区においては、洪水・土砂災害に対するハザードマップがありますが、先般行われました区民意識調査では、区民の約50%が持っていないと回答しています。ただ、世田谷区の洪水・内水氾濫ハザードマップ、御確認いただければ、水害時避難行動判定フローが載っており、どういった場合に自宅外へ避難するべきなのか分かります。土砂災害についても記載があります。落ち着いて確認をすれば、自宅外への避難は必要ないという方も出てくると思われます。災害時に区民がすぐにハザードマップを確認できること、適切な行動を取ることが重要だと考えるため、二点質問いたします。
一点目、区は8月の台風7号、10号接近時に自主避難場所を開設したものの、ハザードマップなど詳細が記載されているホームページへのリンクに関して、案内が不足していると感じました。一昨日、他会派の質問に対して、メールやエックスでの発信の際には、区ホームページへのリンクを貼り、ハザードマップの情報も確認できるようにしていると答弁がありましたが、区民が迷わず見つけられるようになっていない、区民に見てもらえないのでは意味がありません。区民の心配が高まるタイミングでは、ハザードマップについて分かりやすく御案内し、見ていただくことで安心材料としていただく、もしくは避難に備えていただくなど、早め早めの対応を促すべきと考えますが、区の見解を伺います。
二点目、今後も区民へ適時適切な広報を行っていただきたいと思います。区民にとって必要なタイミングで適切な避難行動を取っていただくための周知啓発について、区としてどのように動いていくのでしょうか。
以上で壇上からの質問を終わります。
◆学校教育部長の答弁
私から、まず、エデュケーション・アシスタントをなぜ入れないのか、今後エデュケーション・アシスタントを導入することは可能かについて、一括して御答弁いたします。
エデュケーション・アシスタントは、東京都教育委員会が、児童へのきめ細やかな対応が必要な小学校第一学年から第三学年までを対象に、学級担任を補佐し、副担任相当の業務を担う職として、令和四年度から実施している補助事業であり、現在、23区中13区で導入をしております。
区では、令和4年度以前より小一サポーターを区独自で配置し、また、都補助を活用いたしましたスクール・サポート・スタッフ等を拡充しながら、学校・学級経営を補佐してまいりました。
一方で、普通学級を取り巻く状況はこの間大きく変化しており、担任への負担が大きいということは教育委員会としても認識しており、この間示してきたとおりでございます。
このたび、教育委員会が実践する教育の質を高める働き方改革推進プラン(骨子案)の中では、これまでの考え方を大きく変え、有効かつ実践的な取組を行うとしており、御指摘いただきましたエデュケーション・アシスタントを導入することも視野に入れ、学級支援の在り方をまとめてまいります。
次に、都補助の対象となる制度をさらに活用して各学校への人的支援を早急に充実させていくべきとの御質問です。
昨年度実施いたしました教員アンケートにおける自由意見では、人員体制強化に関するものが最も多く、現場において人的支援の充実を求める要望が高いことを把握しております。教育委員会といたしましても、多様な専門的な人材が学校には必要であり、教員がより授業や子どもに向かうこと等、教員としての専門性を発揮できる仕事に注力できるようにすることが重要であると認識しております。
引き続き、学校におきまして、副校長補佐など都補助対象の制度の活用など、専門的人材の拡充とともに、それによる事務負担が増えないよう、各学校が組織的に学校のマネジメントができる人的支援を進めてまいります。
以上でございます。
◆教育政策・生涯学習部長の答弁
私からは、水道水散布法につきまして、三点の御質問にまとめて御答弁をいたします。
学校における熱中症対策では、児童生徒に健康被害が及ばないよう適切な予防策を講じることが重要ですが、万が一熱中症が発生してしまった場合に、迅速かつ的確に応急処置を実施することができるよう、緊急時に備えた体制づくりが求められます。
教育委員会では、学校安全対策マニュアルを策定し、各校に配付しておりますが、本マニュアルには、熱中症の予防策のほか、積極的に体を冷やす、また、水分と塩分を補給するなどの応急処置について記載をしております。
御提案いただきました水道水散布法は、学校や一般のスポーツ現場において速やかに体温を下げるための有効な手段の一つとして推奨されているものと認識をしてございます。
一方で、水道水散布法の実施に当たっては、すぐーるなどを活用し、熱中症が発生した場合の緊急時の対応について、各御家庭に周知をあらかじめ行い、児童生徒及び保護者の方の十分な理解を得ておくことが必要でございます。また、学校に対し、各校における具体的な実施場所や実施に必要な道具、手順などについて事前に確認を求め、緊急時にスムーズに応急処置を実施できるよう働きかけておくことも重要です。
現在、教育委員会では、学校現場で生じている最新の危機事象への対応を反映し、内容の一層の充実を図るため、学校安全対策マニュアルの改訂作業を進めておりますが、身体冷却に効果的な応急処置として、水道水散布法の記載について検討してまいります。
以上でございます。
◆子ども・若者部長の答弁
私からは、新BOP学童クラブでも水道水散布法を取り入れるべきとの御質問について御答弁いたします。
新BOP学童クラブでは、熱中症をはじめとした事故やけが等に適切に対応できるよう、公益財団法人スポーツ安全協会から提供を受けた資料等を参考に、新BOP安全対策マニュアルを策定し、全ての新BOPに備えております。
この中で、熱中症による意識障害が発生した際の対応の一つとして水をかけることを定めており、より具体的な手法として水道水散布法を取り入れることは、現場の職員のちゅうちょない迅速な対応につながり、有効と考えます。
実施に向けては、職員や保護者への周知啓発に加え、実施場所の確保や対応の手順等の確認が必要なことから、教育委員会とも連携し、マニュアルに取り入れることを視野に検討を進めてまいります。
以上です。
◆危機管理部長の答弁
私から二点御答弁申し上げます。
初めに、風水害時の情報発信についてです。
区では、風水害時には災害・防犯情報メールやエックス等により避難情報や避難所開設情報を発信しておりまして、メール等に併せて区ホームページのリンクを掲載し、避難所の詳細やハザードマップ等の関連情報も確認できるようにしております。また、これまで、台風接近や大雨警報が想定される場合にも、あらかじめ区民への注意喚起を促す情報を発信してまいりましたが、議員御指摘のとおり、区民の方々に安心していただけるよう、さらにより分かりやすい内容とすることが重要であると考えております。
引き続き、災害時の情報発信には細心の注意を払いながら、早めの備えを促すことができる適時適切なタイミングで、より分かりやすく区民への情報発信に努めてまいります。
次に、区民への意識啓発についてです。
台風や大雨等の風水害に備えるためには、日頃から御自身のお住まいの地域の水害リスクを把握し、適切な避難行動を確認しておくことが重要です。このため、区のハザードマップには、地域の浸水想定や避難所の位置、避難行動のタイムライン等を掲載しているほか、二次元コードによる風水害時の情報入手方法等も掲載し、より活用していただけるよう工夫しているところです。
しかしながら、御指摘のとおり、本年の区民意識調査では、ハザードマップを持っている方は約五割にとどまっている状況です。引き続きハザードマップの周知徹底を図るとともに、マイ・タイムラインの作成講習会や防災塾、防災イベントなど、様々な機会を通じて区民の意識啓発に取り組んでまいります。
私からは以上です。
◆答弁を受けての意見
本日は、教育分野において、使っていない都補助を使ってくださいと要望し、エデュケーション・アシスタント導入を視野に入れて支援の在り方をまとめていくとのことで、うれしく思います。
以前から取り上げているベビーシッター利用支援事業もそうですが、都補助があるのに区が制度化しないから使えないという状況は、区民であり都民でもある私たちにとって理解がし難いことです。補助条件が区の実情と合わないなど様々理由があるかと思いますが、区民のためにどうにかして乗り越えてほしいと強く訴えて、私の質問を終わります。
以上。
今年度、世田谷区では、保育待機児童が、一歳児39名、二歳児19名で、合計58名となり、区はこの間、来年度に向けた緊急対策を様々打ち出し対応してきました。議会でも議論をしてきましたが、少子化で子どもの人数は減っていく中、保育のニーズは年々高まっていること、地域によって状況が異なること、保育待機児解消とともに生まれた保育所の欠員など、難しい課題に取り組んでいく必要があります。
11月13日の子ども・若者施策推進特別委員会においては、保育所のゼロ歳児欠員に対する補助を求める陳情も趣旨採択されました。これまでの議論を踏まえ、改めて区として未就学児を取り巻く状況を俯瞰し、ビジョンを描き対策すべきと考え、四点質問します。
一点目、区は今年度中に北沢地域、砧地域へ1・2歳児クラスのみの認可保育所分園を3園整備し、来年度4月入園に向けて、二次募集から募集開始します。需要が逼迫する1・2歳児クラスのみの分園整備は引き続き来年度も進めていくべきと考えますが、区の考えを伺います。
二点目、1・2歳児の入園が難しくなる一方で、ゼロ歳児クラスは4月に欠員が目立つようになりました。認可へ入園させるために4月入園を目指さなくともよくなったということであり、四月時点で月齢が小さい子の保護者にとってはポジティブな状況ですが、それでも年度の後半には、ほぼ空きがなくなっています。年度前半はどんな方でも希望を出せば入園が可能な一方で、年度後半では、保育を必要とする指数が高くても、空きがなければ入園はできません。この不平等を解消するため、来年度、区は区立保育園のゼロ歳児クラスの入園可能数を年度前半、後半で調整する予定です。この効果は、実際に来年度行ってみないと分かりませんが、ゼロ歳児欠員で悩む園を中心に、補助制度や空き活用策とセットで、私立園へも本施策を拡大できないでしょうか。
三点目、ゼロ歳児の欠員について伺います。園にとっては経営上の大きな課題となるゼロ歳児の欠員ですが、保護者にとっては、希望の時期に復職しやすくなるなどメリットもあります。供給が需要を上回る状況でないと待機児童は解消せず、子どもがいつ生まれたとしても、希望の時期に保育園に入園できる世界にはなりません。区としてこの問題をどう考えるのか、お伺いします。
四点目、特に未就学児の子ども・子育て支援について、区が一体どのようなビジョンを描いているのか分かりません。ゼロ歳児の空き定員を活用した未就園児の定期的な預かり事業は、欠員のある園にとっては経営支援となる事業ですが、事業の目的は在宅子育て支援であり、実施園からは安全面を不安に感じる意見も出ております。令和8年度からは、こども誰でも通園制度の開始が控えており、講じている各施策の目的と効果について整理が必要であり、そのためには指針となる明確なビジョンが必要だと考えます。区の考えを問います。
次に、区立保育園の環境改善について伺います。
区立保育園の保育士は、世田谷区職員Ⅱ類「福祉(保育士)」という区分・職務名で採用を行っており、保育士資格があれば受験ができます。保育士資格は、保育士養成施設を卒業する、もしくは保育士試験に合格すれば取得ができます。
後者の保育士試験は、保育園の現場での経験や実習等がゼロという方でも受験が可能です。福祉Ⅱ類の採用予定日は4月1日、このタイミングで保育園へ配属され、新年度から保育園の先生として働き始めることになります。
こういった中で、園によっては業務マニュアルがない、新人研修がなく不安といった現場の声を伺いました。新人職員としては、正当に採用試験を通ったものの、子どもたちや保護者と適切に関われるのか不安を抱えながらの職務開始となります。また、子どもを預ける保護者の視点では、保育の質という点で不安を感じるため、二点質問します。
一点目、保育園での実習や丁寧な研修など新人教育の仕組みが必要ではないかと考えます。もしくは保育現場での経験や実習等の経験がない職員をいきなり四月に配属しないなど、人員配置に配慮ができないでしょうか。
二点目、各園任せの属人的な教育体制から脱却すべきと考えます。ただし、業務フローの見直しやマニュアル作成などは、忙しい保育園の現場で対応できるものではありません。保育士資格がなくてもできる業務はアウトソーシングして、区立園の環境改善を図ることはできないでしょうか。区の考えを伺います。
次に、子どもの事故予防について伺います。
先月、北海道の認可保育園において、一歳児が給食を喉に詰まらせて死亡する事故がありました。消費者庁によると、2014年から2019年までの6年間で、食品を喉に詰まらせて死亡した14歳以下の子どもは合わせて80人、北海道の事故のように肉を喉に詰まらせる事故も過去に起こっており、事故の状況、子どもの歯の生え方、調理方法などを検証し、原因をはっきりさせ、次に事故が起こらないような仕組みを整えないと、同様の事故がまた起こる可能性があります。
子どもの死因の3位もしくは4位は不慮の事故です。この傾向は毎年変わっていません。子ども、保護者、保育士、先生など人に原因を求め、もっと気をつけよう、こんな事故があったから注意してねと、周知徹底、事例の共有、注意喚起、また当事者意識の醸成などを行うだけでは事故はなくなりません。データに基づいた事故の分析、次に同じ事故が起こらないようにするための仕組みづくり、環境整備、人員体制整備を行っていただきたく、保育・教育の各所管へ質問します。
区の事故に関するデータはどのようなものがあるのでしょうか。データの管理体制や事故予防のための仕組みづくりなど、事故を減らすためデータをどのように活用しているのでしょうか。経年でデータを見たときに、毎年同じ程度の事故件数で、ほぼ変化がないのであれば、今の対応について抜本的な改善が必要だと考えます。データを活用し、科学的に事故を減らすための取組を行えないでしょうか、伺います。
最後に、HPVワクチンの男性任意接種について伺います。
本年10月1日より都補助を活用したHPVワクチンの男性の任意接種について全額補助が始まりました。ただ、現場の小児科医からは、男性任意接種の補助を知らない方が多いと苦言をいただきました。かかりつけ小児科医として、男児に無償でHPVワクチンが打てることを伝えようにも、その年頃の男児の受診はそこまで多くなく、周知に限界を感じるとのことでした。
女子の定期接種では、予防接種を受けた方に健康被害が生じた場合は、予防接種法に基づいて救済措置が受けられます。一方で、任意接種の場合も、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による救済制度がありますが、定期接種とは補償・給付内容に差があります。この点で区が慎重な姿勢を取らざるを得ないことに一定の理解はしております。
しかし、東京都は、国で定期接種についての審議が続く中、国より先に、都民の負担軽減へつながる補助制度を打ち出しました。また、現在、国内では九価ワクチンの男性への使用拡大申請が行われており、承認されれば、現在、男性へ使用されている4価のワクチンよりも予防効果が高く、接種回数が2回で済む9価ワクチンを男性も打てるようになります。
男性への公費接種が定着しているオーストラリアやイギリスでは、集団免疫の効果が現れ、全体的なHPV感染率が下がってきています。区がより積極的に補助対象者ヘアプローチをしていくべきと考えるため、質問します。
他自治体では、男性任意接種補助の開始と同時に様々な対応を取っています。台東区では、補助制度の個別案内通知を発送しています。東京都はHPVワクチンに関するポータルサイトで分かりやすく説明をしており、例えば渋谷区は、このポータルヘ分かりやすくリンクを張っています。世田谷区としても本補助制度の周知に力を入れることはできないでしょうか。
以上で壇上からの質問を終わります。
◆子ども・若者部長の答弁
私からは、八点御答弁いたします。
初めに、ゼロから2歳児のみの保育所分園の来年度の整備についてです。
区では、保育待機児童が生じたことを踏まえ、今後の保育需要の分析を行い、緊急対策として3施設の分園整備を行っているところです。現在、子ども・子育て支援事業計画の策定の中で、令和11年度までの保育需給の推計を行っております。就学前人口の減少が見込まれる中、保育を希望する方の割合が増加している状況を踏まえ、特にゼロ歳から二歳の保育の需要は今後も高い状況が続くものと見込んでおります。
現時点における保育の需給の推計では、令和8年度以降は特に玉川地域の1歳児クラスの確保数に不足が見込まれております。区としましては、引き続き既存の保育施設のさらなる活用とともに、新規施設の整備も含め、あらゆる手法を活用して保育の定員確保に努めてまいります。
次に、年度途中のゼロ歳児入園可能数の調整における私立園への拡大についてです。
区内の保育施設のゼロ歳児クラスでは、他の年齢と比較して年度途中入園申込みが多いため、欠員の多い年度前半は、指数にかかわらず入園しやすい一方で、欠員が充足してくる年度後半には、指数の高い世帯でも入園が難しくなるなど、出生時期によって入園のしやすさに差が生じていることの課題があると認識しております。
そのため、他自治体の取組も参考にし、令和7年度よりゼロ歳児保育を実施している区立保育園全園の定員の一部を10月入園の受入れ枠に振り替えることで、年度途中における入園機会の均等を図ってまいります。
議員御指摘の私立保育園への拡大につきましては、区民にとって選択肢が広がるメリットがある一方で、区立保育園と異なり、入園時期を変更することに対する運営費の補填等の課題もあり、今後の入園の申込み状況や令和7年度の実施状況等も踏まえながら検討してまいります。
次に、ゼロ歳児欠員に対する区の考えについてです。
議員御指摘のとおり、補助金等の単価が高いゼロ歳児の欠員は、経営面での影響が大きいものと認識しております。区では、令和六年度より東京都の補助制度を活用した未就園児の定期的な預かり事業を開始し、在宅子育て支援とともに、私立保育園の欠員による経営への影響の緩和に取り組んでおります。
一方、先ほども御答弁しましたとおり、保育施設のゼロ歳児クラスでは、他の年齢と比較して、年度前半に空きがある一方で、年度途中入園の申込みが多いことから、年度途中入園の希望者に向けた定員確保も重要であると認識しております。
区としましては、引き続き空き定員を活用した在宅子育て支援事業の充実に取り組むとともに、欠員による私立保育園の経営面での影響も十分見極めながら、最適な定員の維持を進めてまいります。
次に、保育についての区としてのビジョンについてです。
区では、これまで保育の需要量の推計や保育待機児童の状況を踏まえ、保育の質と量の両輪を重視しながら、保育施設の定員を確保するための様々な対策に全力を挙げて取り組んでまいりました。その結果、待機児童数の大幅な減少を達成する一方で、地域や年齢によっては需給のミスマッチが発生するなど、新たな課題に直面しております。
共働き家庭の増加や子育て家庭の地域とのつながりの希薄化が進む中、区としましては、子どもを中心とした保育を実践する保育施設が、地域の中で子育て家庭にしっかり対応し、寄り添った支援ができる環境を整備していくことが重要であると認識しております。
引き続き保育の需要量を満たす定員確保に全力で取り組むとともに、地域の保育施設が在宅子育て家庭への支援にもしっかり取り組んでいけるよう、現場の意見も伺いながら、区として必要な支援に取り組んでまいります。
次に、区立保育園における新入職員に対する実習や研修の仕組みなど人員配置への配慮ができないかについてでございます。
現在、区立保育園では、四月当初の新入職員の受入れの際には、各園で作成している各種運営マニュアル等をはじめ、自園の特色や具体的な業務を記載した各種業務手順等の説明を行うとともに、年間を通じた育成担当者を配置するなどのサポート体制を組んで対応しております。
また、新入職員を対象とした研修では、地方公務員としての基礎的な研修に加え、保育士としての専門的な研修として、個々のキャリアごとに応じて行う世田谷区キャリアステージにおける保育者育成指標等の各種研修を実施しております。
四月当初は、新入園児の受入れやクラスが進級するなど環境の変化による園児の不安もあることから、特に配慮が必要な時期となりますが、園長を中心に、新入職員への丁寧な関わりや適切な助言指導などを行いながら、どの園においてもこうした取組がしっかり浸透するよう、風通しのよい園運営に努めてまいります。
次に、区立保育園における業務改善についてです。
区立保育園では、保育の質ガイドラインを基本に、保育課と園長会で各種マニュアルを作成しております。さらに、各保育園の施設の状況や職員配置等を踏まえ、独自のマニュアルを作成し、園内研修にて周知徹底をしております。
保育を取り巻く環境が変化し、安全安心な保育を第一に、子ども一人一人の個性を大事にした保育実践の取組がますます重要になっております。
そのため、区ではこれまで保育ICTの導入や、保育課での事務の集中処理などの保育現場の負担軽減に取り組み、保育に注力できる環境づくりを行ってきました。
さらに負担の軽減を図るべく、外部コンサルタントによる業務の現状分析と業務フローの見直しなどに現在取り組んでいるところです。引き続き現場の職員の声を伺いながら、働きやすい保育現場の実現に向けて取り組んでまいります。
最後に、保育施設の事故予防について二点、事故データの活用の現状とデータ分析による再発防止の取組について併せて御答弁いたします。
区では、全保育施設において、受診を必要とするけがなどの事故が発生した場合は、事故報告書の提出を求めております。報告書の内容は、保育課の専門職等で確認するとともに、重大な事故につきましては、児童福祉審議会保育部会に報告し、再発防止等への助言をいただいているところです。
あわせて、各保育施設に対しては、文書や電話のほか、保育士等の専門職から成る保育サポート訪問の実施を通じ、事故について共に検証する機会を設けるなど、事故の発生予防に取り組んでいるところです。
また、これらの事故情報を集計し、年齢別に気をつけるポイントや受傷時の対応等の事例を掲載した安全だよりを年四回発行するとともに、施設連絡会等で事故内容と事故予防の情報共有をするなど、再発防止に役立てております。
今後は、これら経年にわたって蓄積された事故情報のデータを統計的に整理分析するなど、事故データのさらなる有効活用を図り、より効果的な再発防止につなげるなど、事故を減らす取組に役立ててまいります。
以上です。
◆教育政策・生涯学習部長の答弁
私からは、子どもの事故予防につきまして、教育委員会では事故データをどのように活用しているのか、また、データを活用して事故を減らすための取組を教育委員会として行えないか、二点併せて御答弁いたします。
教育委員会では、区立小中学校、幼稚園において、頭部の傷害、打撲、骨折、裂傷等の負傷、交通事故、感染症や食中毒の集団発生などの事故が発生した場合に、学校管理下における安全対策要綱に基づき、各学校等から事故報告された情報を関係所管で共有し、再発防止に役立てております。
具体的には、事故報告書に記載された事故発生の状況や学校等の取った措置、今後の対策等の内容を確認し、対応が不十分な場合は、学校等に改善を求めるほか、他の学校等の参考となるような事例については校長会等で周知し、注意喚起を行っております。
また、収集した事故情報を基に、学年別、時間帯別、負傷の種類別、交通事故の発生状況別等に集計、分類して統計データとしてまとめ、毎年、世田谷区立小・中学校における保健統計資料「せたがやの学校保健」に掲載し、ホームページ上でも公開をしております。
さらに、現在、学校安全対策マニュアルの改定作業を進めておりますが、これまで蓄積したデータから事故が多く発生する状況等について分析し、その分析結果を踏まえた、より効果的な再発防止策の検討、整理を行った上でマニュアルに反映させ、各学校等と共有をする予定です。
今後も学校等での事故につきましてデータを有効活用し、事故を起こさない体制づくりに努めてまいります。
以上です。
◆世田谷保健所長の答弁
私からは、男性へのHPVワクチン任意接種についてお答え申し上げます。
男性へのHPVワクチン接種は、令和六年十月より任意接種の費用助成を開始しております。区ホームページでの周知に加えて、医療機関でのポスター掲示、リーフレットの配布などを実施し、かかりつけ医との相談の下に区民が主体的に選択し、希望者が円滑に接種できる環境整備が重要と認識しており、制度の導入に当たっては、地区医師会等と事前調整をするなど対応してまいりました。
区ホームページにつきましては、さらに情報が分かりやすく伝えられるよう、例えば東京都が開設したホームページ、これだけは知って欲しい「はじめてのHPVワクチン」などを活用し、区ホームページやSNSでの発信内容を見直すことで、より効果的な周知方法や相乗的な啓発効果に努めてまいります。
私からは以上です。
◆答弁を受けてのくろだからの再質問
一点再質問です。保育待機児について、これまで区は各課題に応じた対策を全力で練り上げて支援を行っていると認識しておりまして、そういった答弁もいただきましたが、区の目指す未来の姿がやはり見えてきません。私は、どんな保護者でも、自分の子どもに合った園を選び、預けたいときに預けられる世界が理想だと考えています。認可保育所のみならず、認証、認可外、その他の子育て支援施設も含めて、俯瞰してビジョンを描いていただきたいです。子どもを中心とした保育を実践し、子育て家庭に寄り添った支援を行うことができると、世田谷の子ども・子育て家庭はどうなっていくのでしょうか、どのような世田谷区を目指すのでしょうか、お答えください。
◆子ども・若者部長の答弁
再質問に御答弁いたします。
保育施設は、子どもが育っていく際に大切な、心と体の基礎を育む乳幼児期に、子どもたちの発達を理解し、個々の子どもの成長を見通しながら、子どもを中心に養護と教育を一体的に実施する、非常に重要で専門性の高い施設であると考えております。
現在策定中の子ども・若者総合計画において、目指す姿としまして、質の高い教育・保育が、需要量見込みに対応できる供給量を確保できていること、全ての教育・保育施設において、子どもの命と子どもの権利が守られた環境が整えられているとともに、子どもの育ちの土台づくりのための質の高い教育・保育が提供されていることなどを掲げております。つまりは、子育て家庭のニーズにしっかり対応し、質の高い保育を提供することで子どもの育ちを支えていくということを目指しております。
こうした状態の達成に向け、引き続き地域や年齢に応じた保育定員の確保に取り組むとともに、保育を必要とする家庭のみならず、在宅子育て家庭も含め、保育施設が地域の中で、その専門性を十分に発揮し、保護者の子育てと子どもたちの健やかな育ちを支えていけるよう、区としてしっかりサポートしてまいります。
以上です。
◆再答弁を受けてくろだからの意見
HPVワクチンについて、我が会派の代表質問、また昨日、畠山議員からキャッチアップ接種の延長について質問をしております。国及び都の状況を踏まえて判断するといった御答弁や、医師会からの要望書を受け取っているという区長のお答えもありましたが、昨日は、国の動向についての報道もありました。
厚労省は、キャッチアップ接種対象者及び来年度に定期接種対象から外れる2008年度生まれの女性について、今年度中、つまり来年3月までに一回目の接種を行えば、2026年3月までは二回目、三回目の接種の公費負担を認める方針を決めたとのことです。
この国の動きを受けて、区としても接種を希望する方が円滑に接種できるよう、医師会と緊密に連携し、迅速に公費負担延長の対応を行っていただけるよう強く要望します。
また、HPVワクチンの接種率向上には男女問わず努めていただきたいと、こちらも強く訴えて私の質問を終わります。
以上。